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2019-04-02 00:00
金融不安の韓国の若者が日本を目指す
田村 秀男
ジャーナリスト
韓国の新卒予定者が日本企業の就職面接会に押しかけてきていると、1月15日付の産経ニュースが報じていた。韓国では若者(25~29歳)の失業率が2017年で9・5%と高いのに比べて、日本は4・1%と低く、企業は求人難に直面している事情が背景にあるとはいえ、日韓のギャップは米中貿易戦争を受けてさらに広がりそうだ。韓国の若者はますます日本を目指すだろう。日韓の景気は外需主導という点では共通しているが、対中輸出依存度は韓国が圧倒的に高い。日本の場合、全輸出は国民総生産(GDP)の18%相当で、対中輸出に限ると同3・5%に過ぎない。輸出がGDPの約4割を占める韓国の場合、対中輸出比率が上昇する一方だ。00年に10%台だったが、18年は27%を超えた。対中輸出が1割減るだけで、GDPの約1%分が減る計算になる。
中国経済は米中貿易戦争が始まった昨年夏より前から後退している。最近になってトランプ米政権による対中制裁関税の影響が出始め、景気悪化に拍車がかかる。そんな見通しから、韓国の株価は上海株の下落圧力に押さえつけられるように下がり続けている。18年12月の株価は上海総合株価指数が前年同期比24%減、韓国総合株価指数は17%減である。韓国の株価は対中輸出比率が高まれば高まるほど、逆に下落する傾向にある。株式市場は「脱中国」を韓国経済に催促しているようなものだ。将来に不安を感じる韓国の若者が、アベノミクス効果で雇用情勢が逼迫している日本で就職しようと思うのは無理もない。
韓国は本来、サムスン電子に代表されるスマートフォンや半導体などの事業で極めて強い国際競争力を持つのだが、構造的な弱点がある。前記のように輸出依存、とりわけ対中輸出頼みはもちろんだが、外国からの投融資依存度も高い。対外債務はGDPの3割近く、昨年9月末の対外債務は9%以上増加した。米中貿易戦争が激化すれば、株価は急落し、外資が韓国から逃げ出しかねない。そうなると、20年前のアジア通貨危機の悪夢再来もありうる。
そんな金融面での脆弱さからみれば、文在寅政権は日本との外交関係を良好に保ちつつ、金融危機に備えて日韓通貨スワップ協定の再開を要請するのが合理的なはずだが、真逆の対日策に徹している。海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射、いわゆる元徴用工問題では韓国政府が国際法に沿った自らの補償義務を無視し、一方的に日本企業に責任を押し付けるなど、対日関係をわざわざ悪化させている。このまま、金融危機が発生した場合、韓国は通貨スワップ協定を結んでいる中国に「叩頭(こうとう)」するしかないが、北京は対韓救済どころではない。資本逃避に悩まされ、外貨準備維持のために対外借り入れを急増させている。結局、韓国が泣きつくのは日本しかないのは今から目に見えている。
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