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2019-03-16 00:00
(連載2)日本企業は外国企業との提携、M&Aを進めよ
岡本 裕明
海外事業経営者
「歌を忘れたカナリア」という言葉がありますが、「値上げを忘れた経営者」「売ることを忘れたセールスマン」になっていないでしょうか?ここにきて原材料費の値上がりに耐え切れなくなり、値上げをする企業も再び出てきています。コカ・コーラが一部製品の値上げを決めました。27年ぶりだそうです。しかし、これはコスト増の結果の値上げであって付加価値がついて値上げしたものではありません。確かに日本国内は値上げしにくい環境にあります。スーパーに行っても商品が週替わりにバーゲンを繰り返します。それは大量販売に頼る大企業と流通の仕組みが消費者の選択を狭めたのでしょう。
私の日本の友人がシャンプーのビジネスをやりたがっています。スーパーやドラッグストアでシャンプーコーナーに行くと案外種類が少なく、300円、400円台の同じような商品ばかりだということに気が付くでしょう。友人は2、3000円するシャンプーを考えています。行けると思います。頭皮のアレルギー体質は案外多いのに合わないシャンプーで苦労している人はずいぶんいるのです。大企業のように何万本というロットを期待しなければいいのです。私は実は一本2000円のボディシャンプーを長年使っていますが一旦使うと普通のものが使えなくなります。ビールでは、日本は下面発酵のラガー/ピルスナー系が主体です。しかし外国では上面発酵のエールやIPAからフルーツ系も含め、多種多様で市場が大きく拡大しています。「のど越しすっきり」ばかりがビールじゃないという発想がなぜ生まれないのでしょう。売れるのは赤い缶の「本麒麟」ばかりでは困るのです。
なぜ、外国企業との提携をタイトルに掲げたか、ですが、これは刺激以外の何物でもありません。残念ながら多くの日本企業が外国企業と提携、M&Aをしても多くが失敗しています。成功失敗の定義づけが難しいですが、7-8割は効果が薄かったのではないでしょうか?それは日本人が日本人の目線で評価をしてしまう弱点もあえて指摘しておきます。武田のシャイアー買収は外国人社長だからこそできる技であとは水平展開できるかがカギでしょう。個人的な予想では武田は社内のいらない分野を大胆に売却してスリム化を図るとみています。日本人経営者ではびっくりするような仕掛けをしてくる気がします。
モノを売る、これがビジネスの基本です。そして付加価値を売る、これも基本です。ですが、日本の場合、いらない付加価値が多すぎたり、同じ土俵でのレッドオーシャンになってたたき合いになっているケースはずいぶん聞きます。海外には面白い市場があります。また開拓できる余地も十分にあります。そこに進出するには現地になれた企業と手を結ぶのは理に適っていると私は思っています。(おわり)
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