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2019-03-01 00:00
(連載2)下向く中国経済の行き先
岡本 裕明
海外事業経営者
例えば売るに売れない不動産を抱えている、あるいは中国の経営者は、自社株式を銀行に担保として差し入れて借り入れをする手法を取っていますが、株価の下落で担保割れが生じ、所有株を処分されるケースもあり、実態がつかみにくいところであります。
では中国経済の復活はあるのか、でありますが、個人的には内外で負の遺産も積み上がり、かなり厳しいところに追い込まれているように感じます。数多くの問題が指摘されていますが、俯瞰的に見ると現在の共産党体制でこの広い国土と14億の人口を支配するのは無理と思われる規模に到達しているように見えます。ソ連が崩壊し、より小さな連邦制のロシアになったのと同様、中国は拡大主義ではなく一旦縮小をして立て直しを図らないと厳しい再生局面を迎えるように感じます。
歴史的に見れば中国は様々な形で統治されて来ました。小国に分立していたこともあります。が、今置かれている状況は共産党という名の統制経済体制をこれだけ技術や情報が進化した時代においてアメリカより4倍以上の国民がいる国家で遂行するというかつてない挑戦であり、未経験ゾーンにあります。アメリカでは各州においてある程度の自治性を持たせていますが、それは広い国土の中で中央政権の一本調子の支配には限界があるためであります。今の習近平体制はその逆でより統制を強化し、拡大中国を生み出そうとしています。しかし、ひたひたと近づく黒い影が国民のバブル崩壊と不満を吸い上げた時、思わぬ反撃に出くわすかもしれません。
良好な経済は国民を幸せにしますが、今の中国は国民や地方経済に無理強いをさせすぎています。あの文化大革命や天安門事件の二の舞を恐れてか国民はおとなしくしていますが、きっかけは思わぬところから起きるものです。下向く中国経済の行方は国民の鬱積された強い不満のはけ口探しとなるのは歴史が証明するところ。習近平国家主席の手腕が試されるところではないでしょうか?(おわり)
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