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2007-04-30 00:00
連載投稿(5)北の核はなによりも日本の脅威
武貞 秀士
防衛省防衛研究所統括研究官
北朝鮮内部には、朝鮮人民軍と北朝鮮外務省の対立や、タカ派とハト派の対立があるようには見えない。核実験、ミサイル実験により北朝鮮内部に亀裂が生じたようには見えない。むしろ、「核実験によって米朝協議の必要性が増した」と北朝鮮外務省は主張しているので、軍事的緊張の高まりは北朝鮮外務省の役割を増やしたことになる。核開発の過程が内部の結束を高めるという展開になっている。「持つに至ったものをどうして放棄することがあろうか」という北朝鮮外務省高官の発言は、本音でもあろう。
北朝鮮には統一の手段としての軍事戦略があり、その中心に核兵器がある。核戦略を持って核開発をしてきたのであり、北の核には60年間追求してきた統一政策完成の意味がある。国家の至上目標を達成する究極の手段と位置づけているのだから、北朝鮮が戦略を変更するときは、戦略の条件が悪化するときだろう。核兵器を放棄しないと韓国からの支援が途絶えるとか、中国が経済、政治、軍事的に北朝鮮を見限るとか、米国が軍事オプションの行使に踏み切るといった場合である。それらは、起こりそうにないことが判明しはじめたところで、6カ国協議への期待が高まったのであった。
このような事態を日本は注視してきた。核弾頭の小型化が成功すれば、日本は北朝鮮の核兵器の直接的脅威に直面する。北朝鮮の核兵器は、遠く離れた米国、同民族の韓国よりも、日本にとって大きな脅威である。歴史的に見て朝鮮半島問題は、日本人にとって防衛問題であったので、北朝鮮の核問題解決が長引くのは、不安なのである。日米関係の強化、ミサイル防衛の前倒し導入などは、日本人の不安を背景にしたものである。(つづく)
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