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2019-01-08 00:00
(連載1)平成31年の年頭にあたって
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
平成という元号で迎える新年も今年が最後ということになりました。この30年間を振り返るとき、外交においても経済においても大きな変化があったことを我々は直視せねばなりません。国際情勢ということでいえば、30年前にはソ連という国が存在していたことを考えれば、日本を取りまく世界の情勢は、冷戦からポスト冷戦を経て、中国、北朝鮮の軍拡に直面するいわば過去に例を見ない直接的な脅威を目前に抱えている状態にある。その一方で、トランプ大統領の下で、アメリカが世界で果たす役割についてはかなりの不透明感が漂っています。その中で日本としてどのようにこの安全保障環境に対処していくべきなのかという短期的・中期的な課題を我々は解決せねばなりません。
また世界経済が今後、イノベーションの力が「データ」というものに相関するようになり、かつ法的、実効的に早い変化に対応せねばならないことを考えれば、国際的なルールや標準作りに日本は戦略的に関わっていかねばなりません。同様のことは国際金融におけるマネーの流れを考えれば、金融市場への関与についても戦略的な取り組みがこれまで以上に必要です。また長期的な課題として、気候変動に伴う様々な事象が現実のものとなった昨年を振り返れば、経済の問題として我々は国際社会を巻き込んで真剣に気候変動の問題に立ち向かわねばなりません。
国内に目を転じれば、人口減少の中で国際競争に立ち向かえるような底力を長期的に強くせねば、我が国は確実に衰退してしまいます。金融政策や財政政策は当然のことながら一時的なカンフル剤になりこそすれ、それによる景気浮揚を行っているうちに日本経済の構造改革をしっかりせねば、全くの無駄ということになりかねません。そこで必要とされるのは、終身雇用のような雇用慣行により、能力を十分に発揮する機会を奪われ、あるいは本来いるべきではないところに縛り付けられている「ヒト」、そして株の持ち合いや企業の内部留保、税体系や資本市場の最適化が出来ていないために生産性が高いところに回らない縛り付けられている「カネ」をどう解放できるか、国の限られた資源の流動性を高めて、発揮できる能力を最大限発揮できる環境を作る、そのための構造改革を断行することに尽きます。
そして財政に関しても、無駄を排除するのは当然ですが、それだけではもはや問題は解決しない。予算編成過程をみてみれば、「正しいか正しくないか」だけではなく、ある程度、価値観や哲学に基づいた「必要なもの」の間での優先順位付けをせねばならない状況にまで我が国の現実は来ていると思います。そうでなければ、この国の財政は破綻への道を突き進むことになってしまいます。(つづく)
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