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2018-11-19 00:00
(連載1)日ロ平和条約が第二の日ソ中立条約になる?
倉西 雅子
政治学者
報道によりますと、ロシアとの平和条約締結に向けて意欲を示した安倍晋三首相は、返還される北方領土には、米軍基地を置かない意向をロシア側に伝えたそうです。北方領土問題の解決を困難としてきた最大の要因はロシア側の軍事戦略上の対米懸念であったとする認識に基づく提案であり、この‘棘’を抜くことこそ、同問題解解決への最大障壁を取り除くことに他ならないと考えたのでしょう。
しかしながら、相手国がロシアなだけに、仮に、米軍排除条項を含むのであれば、日ロ平和条約は、第二の日ソ中立条約になりかねないリスクがあります。日ソ中立条約とは、第二次世界大戦の最中の1941年4月に、ユーラシア枢軸構想、即ち、日独伊ソ四国同盟構想の下で、日本国とソ連邦が相互に中立を約した条約です。
1945年8月8日の対日参戦に際してソ連邦が一方的に同条約を破ったため、日本国側は、ソ連邦の対日参戦、並びに、その後の北方領土の占領とソ連邦の国内法による併合は、国際法上の違法行為と見なしています。とりわけ、北方領土問題については、日本国のみならず、アメリカをはじめとした旧連合国諸国でさえ、ソ連邦違法説が共有されているのです。
仮に、日ソ中立条約が存在していなければ、第二次世界大戦は全く違った展開を遂げていたことでしょう。ソ連邦は日独の挟み撃ちにあい、西方のヨーロッパ戦線に全兵力を投入することはできなかったはずです。ソ連邦が最も恐れていた東西二正面戦争を避けられたのは、偏に日ソ中立条約が締結されており、しかも、日本国が、この条約を誠実に遵守したからに他なりません。(つづく)
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