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2018-11-16 00:00
(連載2)移民政策と植民地主義の共通点
倉西 雅子
政治学者
そして、今日、こうした傲慢な植民地主義が、グローバリズムという‘美名’をもって再び全世界を闊歩しているように見えます。かつての植民地主義程には露骨ではなく、外国人労働者の移住に強制力を伴うものではないにせよ、経済的目的を全てに優先させ、受け入れ国社会の負の影響を無視して人を移動させようとしているからです。
東インド会社の如くに世界大でのビジネス拡大を目指す民間企業であれ、余剰人口を覇権主義的戦略に利用したい中国のような国家であれ、‘グローバリズム’は、移民政策、否、世界規模での移転を伴う‘人材利用’を推進するための格好の口実となっているのです。なお、周辺の諸民族を支配したソ連邦も、統制経済の下で‘計画的’に領域内の民族を定住地とは異なる他の土地に強制的に移住させたことで知られています(共産主義も新自由主義も、そのサイコパス的、かつ、合理的冷酷さにおいて共通点がある…)。
このように考えますと、日本国の入国管理法改正案も、新たな植民地主義の顕れなのかもしれません。そもそも、同法案の発案者が日本国の政治家であったのかさえ不明です(年内成立は外国、あるいは、国際組織から命じられたミッション、あるいは、密約?)。人手不足を根拠としている点は経済利益優先であり(農地集約化が進む中での農業分野での外国人労働者の受け入れ拡大もプランテーション化の徴候か…)、また、日本社会における長期的なマイナス影響を無視している点も、植民地主義と共通しています。現代という時代は、近代にあって宗主国の地位を得ていた欧米諸国も、体よく‘植民地’にされている時代なのかもしれません。
あまりに多くの問題とリスクを含むため、与党からも疑問の声が上がり、国会の審議にあっても紛糾が予測されるため、同法案が国会ですんなりと可決されるかどうかは不透明です。今であれば、将来における移民問題の発生を未然に防ぐことができます。欧米諸国にあって反移民・難民の世論が勢いづく中、本法案は廃案とし、これを機に、人類史を踏まえた上で移民政策を抜本的に考え直してみるべきなのではないでしょうか。(おわり)
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