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2018-11-06 00:00
バチカンにみる中国の対台湾外交攻勢
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
カトリック教徒の台湾外省人学者などと、バチカン問題について懇談した。その内容を紹介したい。
同台湾外省人学者は「台湾は、現在の蔡英文政権が登場した時には外交関係は22か国あったが、この2年余りで、サントメ・プリンシペ、パナマ、ドミニカ共和国、ブルキナファソ、エルサルバドルと中国の対台湾外交攻勢で5か国が国交断絶に至った。中国は金銭外交や脅しその他の手段で、これら諸国の内政経済に介入し、思うが儘にふるまっている。台湾は欧州に唯一、バチカンとの国交をもっているが、これは心理的にも極めて重要なことだ」と述べていた。
また「バチカンと中国とは司祭の上の階級である司教の任命権について意見の対立が在り、ずっと両者は背を向けていた。中国政府は地下教会の神父などを恣意的にとらえ牢獄に入れたりしている。しかるにこの9月現フランシスコ法王は、中国の司教任命権を認める形で暫定合意をしたようだ。全貌が公表されていないので不明だが。これが即、中国との国交樹立、台湾との断絶に進むのかは分からない。バチカンからは、台湾の教会関係者に台湾を見捨てることはないとの連絡もある。宗教はアヘンだと排除してきた共産党が、使えるものは何でもということで、台湾への外交攻勢の一環として、どう出るかは予断を許さないものがある」と述べていた。
さらに、この話題に興味を持つ米の学者と話をした。彼は「フランシスコ法王は、南米アルゼンチンの出で、南米は軍事政権などの強権政治が多く、その中でクリーンな要素を持つのは、左派、共産主義者などといわれる。それで、法王は共産党に幻想を抱いている。EUなどは、台湾問題などには興味を持たないが、米は、ニューヨーク・タイムズなどが一面で、危惧の念を持った記事を載せたりしている。法王は、また、2代前のポーランド出身のヨハネ・パウロ2世が、冷戦末期ポーランドの民主化運動のグループであるワレサなどの指導する連帯などと組んで欧州における民主化、冷戦終結に多大な功績を残したので、それにライバル心を持つとの見方も出来よう。また、中国においてカトリック教徒の数は,新中国登場の70年前には、プロテスタント教徒数より多かったのに、いまや9対1の割合で引き離されている。それに焦りを持っているのかもしれない。法王はイエズス会の会員で、日本に対し極めて思い入れが深い。この5月には法王選出の選挙権を持つ枢機卿に、大阪の前田大司教を任命した」と述べていた。
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