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2007-04-22 00:00
アジアで求められる「学」レベルでの連携強化
岡本 由美子
同志社大学教授
3月下旬に、バイオテクノロジー関連の調査を行うために、スウェーデンを訪れた。その一環として、歴史あるウプサラ大学、ルンド大学、ヨーテポリ大学等を訪問したのであるが、そこで強烈な印象を受けたことがある。これら大学の教員や研究者に占める外国人の比率は決して高くはなさそうであったのだが、他国、特に他のヨーロッパ諸国の大学や研究機関と広範なる研究ネットワークが確立されていたのだ。ヨーロッパの大学間における競争と協調がうまく機能しているように思えた。これは、自然科学、社会科学ともにである。また、大学院レベルにおけるヨーロッパ諸国間の教育の「共通化」も進んでいるようである。アジアとの差が大きく感じられた。
4月中旬に中国の温家宝首相が日本を訪問され、長く「政冷」に包まれていた北東アジアに雪解けムードが漂い、「東アジア共同体」構築への動きが活発化する条件が整いつつあることを大いに歓迎したい。また、当初その議論の中心は、通貨・金融を含めた地域経済統合や環境・資源エネルギー分野等の協力になるであろうと予想される。
しかしながら、新しい知識の創造力とその普及率が多くの産業の競争力を今後益々左右するであろうと考えるにつけ、アジアにおいて研究者交流・移動が限られたものであるのはいかにも心もとない。また、真の共同体構築には価値観や理念の共有化が不可欠であるといってみたところで、研究者や大学間の交流が少なければ、その達成もおぼつかないであろう。アジア地域において「産」「官」それぞれの領域での連携は強化されつつあるといえる。真の共同体づくりには、「学」の領域でも連携強化が望まれる。
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