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2018-09-26 00:00
「自民党青年局長として蔡英文総統と会談」を読んで思う
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
9月21日付の本欄への鈴木馨祐氏の「自民党青年局長として蔡英文総統と会談」を興味深く読ませていただいた。本文にある「中国の武力侵攻などの不測の事態に日米台の連携」については、全面的に賛成する。わが国外交の前途には、対米黒字削減、対ロ北方領土問題、拉致問題など難問山積身だ。どの問題も、格好良く一刀両断の解決は無理だ。そもそも我が国国民は、国際社会のキツネとタヌキのばか仕合であり権謀術数渦巻く世界に慣れていない。
台湾に関するわが国の今までの対応ぶりを回顧してみると、72年2月のニクソン訪中に泡を食ったかのように田中総理が訪中し、国交樹立を図り、同「日中共同声明」で台湾が中国の領土の不可分な一部であることを表明してしまった。それに引き換え米国は、台湾問題を慎重に議論し、ニクソン訪中から7年後の1979年のカーター政権になって米中国交を樹立した。同時に台湾防衛を明文化した米の国内法「台湾関係法」を設定した。西側のアジア研究者と交流している際に彼らが時に漏らすことは、1989年の天安門事件で西側各国が中国の人権弾圧を強く非難し「経済制裁」決議などで締め付けを行っていた時、わが国は中国を国際社会から孤立させるべきではないと主張し、第4次円借復活、西側各国に先駆けての海部総理の訪中などを行い、裏切りともいえる当時の対中歩み寄りの姿勢である。
当時の中国の外交文献などを精査すると、中国は西側の「弱い環」である日本を狙い撃ちにしたことが分かる。10月の安倍外交の主な外交日程は、日中平和友好条約締結40周年をめどとした訪中である。最近意見交換をした某西側アジア研究者は、私に「中国の狙いは、日米離間そして習近平が後世に名を残すために狙っている戦略の台湾問題で日本から譲歩を勝ち取ることだ」と述べていた。
中国は様々な情報戦を仕掛けてきている。例えば、先ごろの台風による関西空港閉鎖の事態に際して、中国の在大阪総領事館がバス15台を手配し中国人を迅速に退避させたというニュースだ。これはフェイク・ニュースだったが、日本の保守層はブログなどで中国だけを優遇したなどとして、関空責任者のみならず、安倍政権批判も行ったりした。中国のこのフェイク・ニュースで、駐大阪総領事に相当する、台北駐大阪経済文化弁事処長が自死に追い込まれた。民主主義がまだ未成熟で時に常軌を逸する台湾世論から、「中国に比べ何たる対応だ」との過度な非難を受けてのことと言われている。わが国の世論も、お上のやることは何でもけしからんということになりがちだ。小泉政権下で、当時の防衛庁から出向し、安全保障担当の内閣官房副長官補であった柳沢協二氏は、安倍外交を批判し、兵器に金を使うのではなく外交・政治力に意を用いるべきだなどとブログで述べておられる。
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