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2018-09-21 00:00
自民党青年局長として蔡英文総統と会談
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
8月下旬に2回にわたって台湾に出張し、蔡英文総統、頼清徳行政院長(首相)、蘇嘉全立法院長(国会議長)、邱義仁台湾日本関係協会会長、林佳龍台中市長をはじめとした要人との会談を行い、また安全保障関係のシンポジウムにパネリストとして出席したほか、金門砲戦60年の金門島及び、2月に大きな地震があった花蓮を訪れました。昨年の第19回共産党全国代表者会議以降、習近平主席の下で中国が様々な意味で攻勢を強める中、台湾の首脳と意見交換できたことは非常に有意義だったと思います。特に私が現在その職責にある自民党青年局長は、台湾との国交が無い現状において、自民党を対台湾関係で代表する立場とされており、台湾側においてもその認識の下で様々な意見交換をさせていただくことができました。また、今回は特に頼清徳行政院長とは、私が青年局長として安倍総理と台湾関係の話をさせていただいた機会をはさんで、二週連続で長時間率直な意見交換をすることができたこともあり、大変意味のある出張となりました。
会談の中の詳細なやり取りに触れることはできませんが、今回は例年と異なり台湾としても、あるいは日台間にいくつかの懸案もある中での訪問となりました。8月20日から自民党青年局の代表団80人を率いて訪台し、蔡総統をはじめとした要人と会談するまさにその日の朝に、エルサルバドルが台湾との国交を断絶したことを受け、他の様々な中国の圧力も含め、私からは「自由で民主主義的な台湾が日本の隣に存在することは日本にとって極めて大事な財産であり、その国際政治における生存空間をなくすような試みは断じて許容することができない」旨の表明を行ったところです。また、台南の国民党の敷地に馬英九前総統が出席し慰安婦像が事実上国民党が主導する形で建てられるということがあり、東北をはじめとした被災県の農産品の輸入規制が未だに解けていないという問題も依然としてあります。自民党を代表しての訪問ということで、これらの点については、国民党が地方選挙を控え意図的に政治問題化している状況は理解するものの、日台関係の重要性を考えればそれを危うくしかねない問題であり、台湾政府としてきちんと対応してほしい旨、強く申し上げたところです。
8月22日から23日にかけて訪問した金門島においては、対岸の中国大陸まで二キロほどという最前線なわけですが、中国側が様々な埋め立て作業をしている状況も散見され、再び緊張が高まりつつある状況を感じました。軍関係者や現地の政治関係者とも意見交換しましたが、何といっても台湾海峡の安全な航行は日本にとって経済的にも安全保障的にも極めて重要で、金門島はその象徴的な存在ですので、中国の武力侵攻等の不測の事態に日米台の連携を深めて備える必要性を改めて確認したところです。
東アジアの国際政治情勢に関しては、通商をめぐる米中の緊張感の高まりや朝鮮半島情勢、そしてこの台湾海峡情勢など、新たな局面が生まれつつありますので、我が国としても東アジアの安定に寄与できるよう、緊張感をもってあたっていかねばなりません。引き続き我が国の安全保障のために全力で努力してまいります。
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