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2018-08-30 00:00
(連載1)トランプ大統領へのしっぺ返し
岡本 裕明
海外事業経営者
日本経済新聞に「中国を追い込むリスク 過熱する貿易戦争」という記事が8月23日に掲載されました。チーフエディターの内山清行氏の署名記事ですが、これはよく書けていると思います。かいつまんでいえば、トランプの仕掛ける貿易戦争が再びエスカレートしているが、こんな戦争は将来に禍根を残すぞ、というトーンです。現状の起きている通商バトルだけを見れば確かに中国側の方が不利と見られます。理由は中国のアメリカからの輸入量はその逆の3割しかないために同じペースで関税バトルをし続ければ中国の分が悪いのは目に見えているからであります。
短期的戦略としては、中国は王受文商務次官が8月に訪米し、事務レベル協議を行っています。これは8月に毎年行われている非公式の中国のトップシークレット会議、「北戴河会議」を受けての判断と思われ、気まずい両国間の交渉を仕切り直しするつもりだったと思われます。特に次官級がアメリカまで行くという以上、落としどころを持っていたと思われ、習近平国家主席や李克強首相の細かい指示を受けていたのではないでしょうか?ただ、この展開の先はまだ見えてきません。
では長期的にはどうなのか、ですが、冒頭のチーフエディターの記事の警笛とは中国の「反撃」であります。記事に記載されている例として91年の台湾海峡危機の際、中国がアメリカに軍備上抑え込まれたことを受け、中国の爆発的な軍備拡張が進んだことを指摘しています。あるいは、近年、技術流出を防ぐため、アメリカが中国企業へバリアを敷いていますが、独自の技術開発力を備えつつある中国にはもはやどこまで効果があるのか、ということかと思います。
同様の記事は英国のアディール・ターナー卿が日経ビジネスに寄稿している「中国の技術革新はもう阻めない」にも記載されています。アメリカの対中国対策は80-90年代にやっているならともかく、今さら何をやっても遅いという主張です。その中の一節にこうあります。「労働コストの裁定が中国経済を離陸させた。そして膨大な知識の移転がその後の成長を支えた。この移転のごく一部に産業スパイが介在したが、大半は自動的にかつ法律にのっとって行われた不可避なものだった」とあります。つまり中国の加速度的成長は必然だったということなのでしょう。(つづく)
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