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2018-07-31 00:00
(連載2)自由貿易には勝者も敗者もいない?
倉西 雅子
政治学者
今日の国際経済を見ますと、情報・通信関連等の主要産業において米中両国の企業による寡占状態が進行しているとの指摘もあり、‘規模’が如何に競争力に決定的な影響を与えるのかを物語っています。‘規模’が物を言う場合、日本国を含む他の中小の諸国は、苦境に立たされます。航空機市場は米欧の二強体制となるものの、アメリカのボーイング社がブラジルのエンブラエルを傘下に収める一方で、欧州のエアバスはカナダのボンバルディアを買収しています。
小型航空機部門でMRJを開発している日本の三菱航空機にも余波が及びそうなのですが、ニッチ戦略で別路線を選択したとしても、資金力に優る巨大企業を前にしては、中小規模の企業が独自路線を貫くことは、日に日に困難さを増しています。
こうした現実を直視すれば、自由貿易主義に‘ウィン・ウィンの関係’を期待はできず、むしろ、勝者と敗者を生み出すメカニズムを内包しているとしか言いようがありません(競争に敗れ、淘汰される産業、企業、国民は‘敗者’・・・)。
そして、自由貿易主義、及びグローバリズムにおける‘規模’の有利性を熟知しているからこそ、中国は、最後の勝利者として勝ち残る、即ち、独り勝ちを目指した野心的な経済戦略を立案したのではないでしょうか。‘貿易覇権主義’の名にふさわしいのはむしろ中国であり、それ故に、アメリカから手厳しいカウンターを受けることになったのではないかと思うのです。(おわり)
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