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2018-07-26 00:00
(連載1)「トランプ弾」大衆の食直撃
田村 秀男
ジャーナリスト
今月6日の中国の知的財産権侵害に対する米トランプ政権の制裁関税の発動と、中国・習近平政権の報復の応酬を皮切りに、米中貿易戦争が本格化した。その政治的帰結を考えると、習政権は分が悪そうだとみていたら、北京から、中国の国営メディアが習氏への個人崇拝批判を示唆、習氏の名前を冠した思想教育も突然中止されるなどの異変が相次いでいるというニュースが飛び込んできた。それでも党中央や軍部を完全に掌握しているはずの習体制が傾くはずはないとの見方が圧倒的に多いが、高関税の「トランプ弾」の威力のすさまじさを考えると、さもありなんである。
トランプ弾の第1弾は6日の中国製品340億ドル(約3兆8000億円)で、次に160億ドル発射が続く。10日にはトランプ氏が2000億ドル分の対中輸入に10%の追加関税をかけると品目を明らかにした。さらに3000億ドル分の輸入を上乗せし、合計で5500億ドルにするとも息巻いている。米国の対中輸入総額は5200億ドルだから、中国からの輸入品全てに報復関税をかけることになる。
習氏は「殴られたら殴り返す」と強気で、制裁には同タイミングで同額の報復関税で応じる構えだが、中国の対米輸入は6月までの1年間でみても1634億ドルで、2000億ドルにはるか満たない。習氏側は報復弾に事欠くようになるのを、トランプ氏は見越しているのだろう。
習政権は対米報復第1弾の340億ドルですら品目探しに苦心した形跡がある。大豆や自動車は金額規模も大きいが、他には豚の内臓や鶏の足数億本までが含まれる。いずれも米国内ではほとんど消費者に見向きもされずに、廃棄されていたのだが、巨大な中国需要に合わせて輸出されるようになった。習政権は、くずに値がついて、ほくほく顔だった米国の養鶏農家に打撃を与え、養鶏地帯を選挙地盤とするトランプ支持の米共和党議員への政治的メッセージになると踏んで、報復リストに加えたのだろうが、中国人の胃袋も直撃される。(つづく)
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