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2018-07-19 00:00
(連載1)不足する人手
岡本 裕明
海外事業経営者
世界中で人手不足が指摘されています。日経によると先進国39カ国の平均失業率は5.3%で、データがある1980年以降最低とのことです。技術の進歩により効率化が進む経営改善があるにもかかわらず、人手不足とはどういうことなのでしょうか?人手不足を語る場合、労働参加率という言葉が出てきます。これは15歳以上で兵役や施設に入っている人を差し引いて、労働に従事している人の比率を言います。生産年齢人口は15歳から64歳までの枠がありますが、労働参加率を計算する際には年齢上限はありません。つまり、誰が働けるかという労働者の供給という点で重要なシグナルです。
世界で女性の社会進出が進み、日本でも安倍首相がその主要課題に挙げるなど官民を挙げてその推進に取り組んでいます。その大先輩であるアメリカでは第二次世界大戦直後の女性労働参加率は33%程でした。その後、急激に増え、90年代終わりには60%まで上がります。そして現在は下降期に入っており57%程度になっています。アメリカの女性の社会進出を促進したひとつの理由はベトナム戦争で国内労働力が圧倒的に不足したことがあります。その後、女性が働く社会システムが確立したことは大きな意味がありました。では、2000年以降、そのトレンドが打ち消されて、働かない女性が増えている理由は何でしょうか?
エミリーマッチャー著の「ハウスワイフ2.0」という本があります。これはリーマンショック直後にアメリカで出版され、当時、社会現象になるほど話題になった本です。一言でいえば、別に好きでもない上司の言うことを聞くような仕事を私はしたくない、それより自分で素敵だと思う生活をして、それに共感(シェア)を持ってもらい、自分の生き甲斐を大事にしたい、というものであります。私は著者へのリーマンショックの影響も大きかったと思いますが、これを読む限り、若い人達の労働観が変わってきていることにも注目しています。
では、アメリカの男性はどうかといえば1948年の労働参加率が86.6%、2016年が69.2%でその間をほぼ一直線で結ぶ下落ラインとなっています。つまり、アメリカのトレンドだけ見れば働かない人の比率が増えているのであります。但し、アメリカの場合は人口も増えているのでこの労働参加率が下がっても労働者がそっくりそのまま減るわけではありません。(つづく)
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