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2018-06-30 00:00
どこまで許す、トランプ大統領のわがまま
岡本 裕明
海外事業経営者
トランプ大統領は正気を失ったのでしょうか、それとも単なる選挙対策なのでしょうか?次は知的財産権の保護のために中国資本が25%以上の企業の投資規制を言い始めました。個人的には選挙対策の何物でもないと思っていますが、収拾がつかない事態に陥りやしないか、大変懸念されます。トランプ大統領が進めている通商政策は中国のみならず、欧州、カナダ、メキシコとの直接対決に加え、日本はその次のグループとして影響を受ける候補に挙がります。どの国も大方、報復関税を掲げており、その留まるところを知りません。トランプ大統領のこのわがままが原因でアメリカ経済にボディブローのような痛手を負うことにご本人は何処まで気が付いているのでしょうか?
シナリオの一つとして秋の選挙対策だと割り切り、11月6日まで我慢すればそのあと、トランプの締め付けが緩和されるという見方もできなくはありません。しかしそれまでに大統領自身が引くに引けないほど問題が複雑化してしまうリスクが懸念されます。二つ目のシナリオとしてアメリカ景気腰折れ感が強まること。アメリカの景気は減税効果が効いてくることもあり19年春ぐらいまでは良いとされます。しかし、物価の上昇が加速する可能性が取りざたされる中、不動産取引と自動車販売といった金利敏感業界は明らかに下向きの傾向が出ています。そんな中、関税が米国内で販売される最終価格に反映すればどういう事態になるか、火をみるより明らかです。
同様に景気の先行指標である株価の行方に暗雲が立ち込めるとリーマンショックの時のような急激な経済環境の変化から崩壊型の景気後退が起きないとも限りません。ちなみに25日のアメリカでは恐怖指数が先週末比で25%を超える上昇を見せています。併せてナスダックを中心に株価が大きく値を下げていますが、この原因はトランプ大統領一人に起因するものと考えてよいでしょう。「強硬なトランプが強行して引き起こしたトランプ恐慌」ではシャレになりません。一部アメリカ企業にとっては中国での強い需要が好決算を支えていることも事実ですが、個人的に今、いろいろ調べている限りにおいて爆食消費の中国の体質変化が起こりうる可能性があると考えています。詳細は改めてご紹介しますが、いわゆる消費行動という観点からの発想です。もしも本当にそんな激変が起きれば世界が再び大スランプに陥ることは目に見えています。世界はだいたい10年に一度大きなショックに見舞われることになっています。87年のブラックマンディ、97年の韓国とアジアの通貨危機、2008年のリーマンショックです。
それと併せてオリンピック10年後の大不況というジンクスもあります。日本、ロシア、韓国、ギリシャなどだいたいその通りになっています。そして北京オリンピックは2008年でしたので10年目は今年になります。このアノマリーからすれば今年、中国から不吉なことが起きてもおかしくないわけでその引き金をトランプ大統領が引いたとすれば不名誉の極みの大統領となるでしょう。アメリカの国家元首はアメリカ人が選びますが、他国の国家元首がリーダーとしてふさわしくないと押し出すぐらいの協調も必要かもしれません。私にはこれ以上のわがままを許す心のゆとりはありません。
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