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2007-04-02 00:00
「米韓FTA合意近し」の報に思うこと
四条秀雄
不動産業
米韓両国はFTAでほぼ合意したとのことですが、韓国側の狙いは、韓国経済の日本経済依存からの離脱と部品産業の育成にあるようです。米国側の狙いは、アジア地域で米国抜きの統合市場ができることを防ぐことと米国市場での日韓の競争を促進することでしょう。EU型の先進国市場としては日韓市場統合が一番有望性が高かったので、残念です。日本は経済的にも封じ込められる結果になりそうです。日韓FTAは、政治的にうまくいかず、さらに韓国側にとって経済的にもメリットが少なかったということでしょう。韓国は、外国人労働者問題でも日本より遥かに積極的で、2万人のモンゴル人を受け入れていると知った時は驚きました。今回のFTAも含めて、韓国は日本の遥かに先を進んでいます。
さて、韓国規模の国が対米FTAでどういう結果になるか予想してみますと、比較できるケースとしてはメキシコのものがあると思われます。多くの点で、韓国の狙いは達成されるのではないでしょうか?日本の部品産業界は相当に痛い目に遭うのではないでしょうか。いろいろな事件が起こりそうです。デメリットとしては、メキシコのケース同様に、地方の部分崩壊が起こり、都市への集中や国境を越えた移民が起こりそうです。米国にとって幸いなことに、メキシコとは異なって移民は日本へ向くでしょう。近い将来のそういう状況に、日本はどのように対応していくのでしょうか?
韓国の判断と行動は正しいと思いますが、長期的に観ると、韓国は英語圏ではなく、1億に達しない言語圏であるということが、このFTAになんらかの断層を生み出していくでしょう。そしてまた、世界全体にとって、韓国が今回占めた場所に日本がいた方が望ましい未来に繋がっただろうと思います。何故かといいますと、韓米FTAを始めとして、現在起きていることの多くが保護主義の台頭を暗示しているためです。EUは運用次第では容易に保護主義に転じるものです。米国は民主党の勢力が強まっていますので保護主義の傾向が強まるでしょう。中国は誤まった道を突き進んでます。世界の保護主義を刺激し続けるでしょう。それに対して、日本のEPAはベストではなく批判が多いかもしれませんが、漸進的な開放主義に基づいています。経済力のバランスから観て、日本が米国に影響を与えながら伴走している状態が世界全体からみると好ましいのです。従って現在の世界の中では米韓FTAというのはミスキャストになる、というのが私の個人的感想です
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