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2007-03-08 00:00
海洋系アジアと大陸系アジアの融合は不可能
小山 清二
特許庁先任審判官
EUのような地域統合をアジアにおいて推進することの可能性や是非であるが、アジアの文化、宗教、民族、言語などが複雑多様であることは、多くの有識者から指摘されている。中国を如何に扱うのか、米国を何処まで排除するのか、オーストラリアやニュージーランドも参加するのか等の問題も山積している。これには、統合ASEANに巨大中国も含めた黄色アジア人種大同盟で行くのか、海洋アジア諸国連合で行くのか、そして単なる経済・通貨同盟に終わるのか、地域的軍事防衛共同体にまで行くのか等々の問題も含まれている。
経済的躍進の著しい中国と、経済的衰退の著しい日本との間で、東アジアにおける元と円の指導権争いが顕在化している。近未来の展望として、アジアは余りにも経済格差が大きすぎるので、EUモデルは参考にならない。アジア版通貨統合も実現性には程遠い。さりとて興隆する中国元に円が吸収・統一されることもなく、円は衰退しながら中国元と共存していくように思われる。
日本が先頭を走るかつての雁行形の牽引力はもはやなく、日本産業の国際競争力も低下している現在、日本の再度の指導力発揮には限界が見えている。それどころか、新たな米中冷戦も復活し、国際環境は激変した。有識者の中には、東西冷戦が終結した後も、北東アジアでは未だに冷戦構造が残っているという認識が横行しているが、米ロ、米中冷戦構造は復活したと見るべきだろう。
思うに、アジアは一つではなく、アジアは二つである、というのが私の見解だ。即ち、日本やASEAN諸国、台湾、インドなどのような海洋系アジアと、中国や朝鮮、中央アジアなどの大陸系アジアの二つである。この二つのアジアは、異なった民族性、風土、地政学的環境、そして価値観を有している。大陸系アジアを代表する中国との付き合いは、仲良くすることは大切であるが、余りにも深く接近しすぎることは危険である。中国の民族性から言っても、日本の民族性では非常に危険である。海洋系と大陸系では価値観が根本的に異なり、融合できないからである。
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