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2017-12-09 00:00
平成30年度予算編成の基本方針について
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
12月5日、自民党政務調査会の全体会議が開かれ、平成30年度予算編成の基本方針案等について議論されました。昨年のものに比べても、プライマリーバランス黒字化目標をはじめ、財政健全化に関する取り組みが後退した内容となっているため、私から次のような趣旨の発言をさせていただきました。一部先日の税制調査会や先日の他の全体会議で発言した内容も加えていますが、趣旨とすれば以下のとおりです。
「まず、財政健全化について、自分は財政健全化至上主義はもちろん正しくないと思っているが、それにしても、今の経済環境を考えれば、①外的な経済ショックも5年以上なく、マクロ指標を見ても景気拡大が継続しており金融環境の信用収縮もない、②日銀やGPIFが大量の国債の買い入れを行っているために長期金利がいわば人工的に低く抑えられている、こうした状況下で言ってみれば財政的には最も恵まれた状況にあるという意識を持つべきである。そのような中で財政健全化努力を今やらないでいつやるのか。いつできるのか。いつか必ずやって来る景気後退時には需要創出せねばならないが、その時の余裕を確保するためにも財政健全化するタイミングは今なのではないか。また財政出動などの公需で経済を支えるという話があるが、一瞬水増ししても意味がなく持続可能ではない。今のデフレマインドの一番の問題は企業がリスクをとることができずに内部留保ばかりが増えている状況にあるわけで、この状況を変えるためには人や企業の新陳代謝を促し、リスクをとることが報われる社会環境を創るための労働市場改革などを断行せねばならないのであって、それをせずに財政で国民の税金で需要創出を行うというのは正しい判断とは思えない。我々が進めるべきは官主導公需主導の経済成長ではなく真に民間が主役の経済成長であるべきだ。」
「そのようなことを考えれば、財政健全化への取り組みを今行うべきと考えざるを得ない。2018年は骨太2015に書かれた歳出改革の集中期間の最終年であるが、その中では2018年度末のプライマリーバランスの対GDP比を1%以下とするという中間目標が定められている。そんな中、2016年度末にあってはGDP比2%をはるかに超えており、安倍総理の発言以前にも予測を下回ってしまっている。そのことが明らかである以上は、2018年度予算においても、この財政健全化目標に沿った歳出とするべきではないのか。今回の政権公約における人生100年時代の全世代型社会保障への転換という国民との約束も、これまで優先順位の低かったこども子育て、教育への国としての歳出を増やし優先順位を上げるということであったはずで、単に従来の社会保障に新たに上乗せをして歳出を拡大するということではなかったはずだ。当然既存の社会保障で削るものが出てくるということにならなければ議論がおかしな話となってしまう。こうした観点をしっかりと踏まえて政策や予算の決定をしてほしい。」
以上のような発言を行ったところです。我々若い世代の政治家は10年後、20年後を見据えて政策立案をすべきであり、その場その場の近視眼的なバラマキをすべきではありません。党内の少数派ではありますが、しっかりと将来を見据えた視点を政策の軸に据えられるよう引き続き全力で頑張ってまいりたいと思います。
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