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2017-11-16 00:00
最近の中国問題についての米学者の一つの見方
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
米の新進気鋭の専門家と懇談したところ、彼の述べる中国政治、米中関係などご参考までに次の通り紹介する。第19回党大会で、習近平は権力闘争に勝ち、個人独裁の態勢を確固たるものとしたと一般的には見られるが、即断は早い。彼は「新時代」との用語で、社会主義強国の実現に努力すると見えを切った。共産党設立100年の2021年、建国100年の2049年が一つのメルクマールだ。党大会の場面で習近平は、李克強首相無視を公然とした。来年春の全人代での中国の内閣メンバーがどのようになるか興味深い、習の息のかかった人間が入り、李を真の飾り物にするかだ。
今回の党の人事のポイントとして、自分(米学者)は、元復旦大学教授の王滬寧の政治局常務委員入りに注目する。人は、トランプ政権のステファン・バノンというがあの激動のフランス革命時期を政治の中枢で生き残ったジョゼフ・フーシェを思わせる。価値観が逆転、再逆転また逆転と動いた時期だ。王は、渡米歴は多く、ハーバードその他での滞在もあるが、米の体制へは徹底的に冷めた見方だ。「習」思想は正式に党規約に乗り、今後の中国政治の行動方針の大本となる。自分の接触した中国の知識人たちから見ると先進諸国がポストモダン社会に入っているこの時期に、社会主義再評価を大々的に打ち出したこの動きに不快感を持っている。
確かに、現在の中国では一部ニューエコノミー、例えばアリババのようなネット販売やドローン、AIなどもてはやされる産業があるがアリババが国家に保護された中国市場から真に世界市場に進出したときに、どこまで太刀打ちできるか疑問だ。また、これら産業は、中国が減少させようとしている鉄鋼その他の旧産業の労働者をどこまで受け入れうるかも疑問だ。習近平は第2の毛沢東を目指すわけだが、中国共産党政権での指導者で毛が亡くなった直後出てきた、華国鋒に似ている。彼も、長い地方勤務の後、中央に引き上げられトップとなった。そして、鄧小平との権力闘争に敗れ下野した。対北問題で、金正恩、斬首、暗殺などが、米での中国知識人たちと話題になったとき、ある中国人が、金が先か習が先かと冗談めかして述べたのが印象的だった。習が中央に登場した2012年ごろは、温家宝前首相が「今の中国は(混乱した)文化革命時期のようだ」と述べているように一つの激動時期だった。習は、党。軍の大物を切りやっと今の地歩にたどり着いた。
米では、トランプがこけても、後継者はルールどうり決まってゆくし政治も社会もスムーズに動いてゆく。中国の場合はそうではない。対中べったりだったドイツでさえ、最近は、中国の閉鎖主義で、他国の権利は無視する態度に大分頭にきているようだが、一部開発途上国では、中国式専制国家モデルは一つの流行にもなっている。ベネズエラ、タイ、フィリッピン、カンボジャ、トルコ、ハンガリー、エチオピアその他のアフリカ諸国などだ。米中関係で今回トランプは、お土産を持たされて習近平のいいようにされたとみるのは早い。IT、宇宙、海洋などこれから多方面での価値観の衝突という米中対決本番を迎える。
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