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2017-11-04 00:00
中国の反腐敗運動のダブルスタンダード
倉西 雅子
政治学者
中国では、共産党全国代表大会を経て習近平国家主席を筆頭とする新たな“チャイナ・セブン”の顔ぶれが揃ったそうです。習独裁体制の強化には、ここ数年来展開してきた反腐敗運動が梃子となったようですが、自らが国際社会を腐敗させている元凶であるとする意識は薄いようです。
中国の急激な経済成長に伴って、全世界には、“チャイナ・マネー”と呼ばれる巨額の資金がばら撒かれることとなりました。経済分野での純粋な投資のみならず、この資金は、各国の国内政治、並びに、国際政治を裏から動かす“介入資金”としても投入されたのです。習主席は、“一帯一路構想”の下で周辺諸国との間でインフラ事業を推進してきましたし、中国企業による各国のインフラ事業への参入も相次いでいます。
しかしながら、その多くは、相手国の有力政治家や政府高官に対する“賄賂攻勢”の結果であり、中国は、いわば、“腐敗体質”をも輸出してきたのです。フィリピンのドゥテルテ大統領が南シナ海問題で譲歩を繰り返し、危機的な状況にある北朝鮮問題でも中国に寄り添って北朝鮮を擁護するのも、マネー・パワーの為せる技かもしれません。また、国際社会を見ますと、IMFにおける人民元の早すぎるSDR採用、AIIBの加盟国拡大、ユネスコでの制度悪用など、背後に“チャイナ・マネー”の動きが疑われる不自然な事件が頻発しています。
中国による積極的な腐敗の輸出により、国際社会は贈収賄に溢れ、途上国のみならず、先進国の政界にあっても、中国に対して秘かに国を売り、私腹を肥やす政治家や公人も現れるようになりました。習主席は、反腐敗運動を以って国民からの人気を集めようとしているようですが、対外活動において政治腐敗を意味する“賄賂戦略”を国策として続けている限り、国際社会からの支持は望むべくもありません。否、中国こそ、国際社会における反腐敗運動において、最も手厳しい糾弾を受ける国となるのではないでしょうか。あるいは、国内での反腐敗運動も、王岐山書記の退任に象徴されるように、権力を掌握するまでの体の良い“政治的粛清手段”に過ぎなかったのかもしれません。
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