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2017-10-25 00:00
(連載2)なぜ中国は北の核・ミサイル開発を放置したか?
田村 秀男
ジャーナリスト
もう一つ、目を引くのは中国からの対北輸出の急増だ。石炭など北からの輸入は減っているので、中国の輸出超過額がうなぎ上りだ。国内総生産(GDP)が日本の最貧県程度でしかない北朝鮮は外貨不足で、貿易赤字分を払えないはずだが、中国の銀行が信用供与すれば可能だ。
トランプ政権はそのからくりを見破り、北と取引する企業・銀行に制裁すると言い出した。そのターゲットはもちろん中国だ。米国から名指しされた銀行は米銀からドル資金を調達できない。つまり、国際金融市場から締め出されることになり、信用パニックに見舞われかねない。共産党大会を控えていた習近平政権はあわてて、中国人民銀行を通じて大手の国有商業銀行に対し、北朝鮮関係の口座封鎖を命じた。これなら北を経済的に封じ込められそうだが、実際はどうか。
まず、石油。平壌ではガソリン価格が高騰しているという。米軍情報筋に聞くと、「強欲な中国の輸出業者のせいではないか。中国側はこれまでにも北向けの輸出価格を国際相場よりも2割程度高くしてきた」との答えだ。朝鮮戦争以来の「血の友誼」など無関係だという。高く売りつけても、相手が代金を払えないなら、当然貿易取引は止まる。ところが、相手の弱みにつけ込むのが中国商法だ。米軍筋は「中国は債権の担保に北の鉱山利権を確保する」とみる。これまで中国資本は、かつてスターリンも瞠目した豊富な北の鉱物資源獲得を狙ってきたが、金正恩政権のナショナリズムに阻まれてきた。制裁によって困窮している今こそ好機だ。
習氏が目指す現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の東の終点は朝鮮半島だ。特に半島北部には金や銀、戦略物資であるウランや希少金属が埋蔵されている。ロケットマンこと金正恩氏の命運を問わず、日本などにとって中国という脅威が増大することだけは間違いない。(おわり)
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