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2007-02-27 00:00
第2次アーミテージ報告も「APEC中心」を後押し
冨山 泰
時事通信解説委員
アーミテージ元国務副長官ら米国の超党派のアジア専門家集団が2月16日に発表した対日政策提言(第2次アーミテージ報告)は、東アジアの地域統合について、東アジアサミット(EAS)など米国が参加しないさまざまな地域機構と、アジア太平洋経済協力会議(APEC)など米国も参加するより広範な地域機構の間で、相互補完的な関係を築くよう呼び掛けるとともに、この重層的な仕組みの中心にAPECを据えるべきだとの立場を打ち出した。
これは、将来の東アジア共同体構築を視野に入れた地域統合の動きに米国として真っ向から反対しないものの、そうした地域統合が経済のブロック化につながることのないように、アジア太平洋地域全体に自由貿易地域(FTA)の網をかけることこそ米国の利益にかなうという発想だ。ブッシュ米政権は既に昨年11月のAPEC首脳会議でアジア太平洋自由貿易地域(FTAAP)構想を提唱している。アーミテージ氏の超党派グループは、米国のアジア政策に影響力を持つ専門家集団の「主流」の人々が名を連ねている。このため、2008年の米大統領選挙で共和、民主両党のどちらが勝っても、ブッシュ政権のAPECてこ入れ路線は次の政権に継承されるとみてよさそうだ。
第2次アーミテージ報告は、2010年に日本で開催されるAPEC首脳会合が米国のFTAAP構想実現への飛躍台になると位置づけ、同会合を実効あるものにするため日米両国は今から準備すべきだと提言した。2010年は、1994年のAPECボゴール宣言で、域内の先進国が貿易・投資自由化を実現する期限とされた節目の年だ(開発途上国の自由化期限は2020年)。今後3年間、APEC再活性化へ向けた米国の働き掛けが強まりそうだ。
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