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2017-09-13 00:00
(連載2)アメリカの政治・金融関係者の日本への見方
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
アメリカ社会全体として、国際的なルールや秩序は押し付けられるもので忌むべき「官僚的」なものとの受け止めが根強いとのことで、アメリカにあっては外交が大きく国内の世論や政局に影響されるという現実を考えれば、相当悲観的にならざるを得ません。しかしながらこの米国社会における受け止めはある意味で誤解である面が強く、アメリカという国が、基本的には生活や経済への他者の介入を嫌がるという国の成り立ちから来る哲学を根強く持っているということを考えれば、「小さな政府を指向し、政府の介入を防ぐためには、国際的なルールの確立と適用を徹底すること、そしてルールづくりに関与し主導することが最重要」との思考をどう広めていくことが出来るのかが極めて重要です。
大統領だけでなく、上院下院問わず、連邦議員でも、例えば自由貿易を例にとれば、選挙区の産業がどのような影響を受けるかだけが行動の原点となってしまっている現状の中では大きなチャレンジですが、日本やイギリス、オーストラリアなど、自由貿易を強く指向するアメリカの同盟国が粘り強く関与していくしかありません。
さらに外交問題に関しては、時期的なこともあって、アジア専門家の関心は北朝鮮に集中しています。ある意味集中しすぎているといってもいい状況です。結果として、中国が依然として長期的な構造的な脅威との見方は正直薄いと言わざるを得ません。北朝鮮のミサイル発射のことは耳にするが、尖閣周辺での中国の動きについては認識されていないという実態があります。
アメリカの地理的な位置の問題、さらには旧ソ連と異なり中国市場がビジネス的に大きなチャンスだという見方が根強く、かつ事実でもあるということもあって、中国が冷戦時代のソ連並みの脅威だとのアジア諸国における認識は、残念ながらそのレベルでは共和党支持者の間でも現状、共有されていません。しかし、アジアにおいては、長期的に見れば、中国の脅威こそが極めて構造的に深刻なものです。こうした認識の差を放置しておけば、10年後、20年後取り返しがつかないことにもなりかねません。連邦議会も含め、アメリカの外交政策は国内世論の影響を強く受けるので、我々として、きちんとした戦略的コミュニケーションを行っていくこと必要です。(おわり)
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