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2017-08-01 00:00
安倍内閣の”カギ”握る女性の雇用改善
田村 秀男
ジャーナリスト
3年前の消費税増税によるデフレ圧力が薄らぎ、アベノミクスの効果がようやく出始めたところで、安倍晋三内閣の支持率が急落し、政界やメディアの反安倍勢力が増長、この機とばかり、アベノミクスをけなす。TBS系BS番組は、先の日曜夜の番組で自民党行政改革推進本部・河野太郎本部長に「インフレ目標を達成していない。無責任」だと黒田東彦日銀総裁を罵倒させたかと思うと、元日銀政策審議委員の白井さゆり慶大教授ら“反黒田日銀学者”らに「このままでは悪性インフレになる」と言わんばかりの解説をさせた。登場したアベノミクス支持の専門家は浜田宏一内閣官房参与(エール大学名誉教授)のみだが、擁護論は大幅に削除されたようだ。
ところが、反安倍の専門家に代案はない。白井氏の場合、元日銀政策委員なのに、代案は「持続可能な政策」。異次元緩和政策だってもう4年間も持続し、2%の物価上昇目標達成を先延ばしにしたとはいえ、デフレ防止や雇用改善の成果を挙げている。何が持続可能政策なのかを示すのが学者の責務ではないか。偏向した反安倍メディアの政策批判の合唱が高まるようなことがあれば、アベノミクスへの世論支持は下がる。それは株価や雇用など実体経済の先行きを不安定にする。それが支持率下落をさらに誘うという悪循環に陥りかねない。
したがって、安倍内閣が支持率を反転、上昇させることができるかどうかが、われわれの明日の暮らしにも響く。その点、安倍首相による内閣改造は不可欠だが、効果は一過性だ。支持率の安定した回復という点では十分ではないだろう。内閣支持率を左右する決め手は何だろうか。一般的には、景気動向が根本的な要因になることは、世界共通だ。どの景気指標と支持率が相互に反応するのか。拙論はさまざまなデータを比較して、支持率との相関係数を算出してみた。2つの異なったデータの相関係数は、1またはマイナス1に近ければ近いほど連動性が高い。マイナスというのは互いに反対方向に動く関係で、破局寸前のカップルに例えられる。
安倍内閣発足後1年の2013年12月から今年5月までの支持率の対前年の差と失業率の相関係数を見てみる。失業率が上がると支持率が下がる「逆相関」になり、相関係数はマイナスになる。結果は男女とも極めて逆相関度になるが、女性の方が男性よりも度合いが高い。年齢別にみると働き盛りの40歳前後から50歳代半ばにかけて、女性の支持率のほうが男性よりも失業率に反応していることが読み取れる。支持率データは産経とFNN合同調査によるが、7月は女性の40歳代、50歳代の支持率が3割を切った。中年女性が雇用動向に敏感で、支持率を振れさせるわけだ。安倍内閣は働く女性の雇用改善に気を配らないと支持率を上げられないようだ。
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