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2017-07-07 00:00
(連載2)衝撃の都議会選は政界再編の引き金か
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
第2の要素は、民進党と連合の微妙な関係である。民進党の前身の民主党は、連合が中心的な支援団体であった。選挙でも連合が主体となって取り仕切り、連合なくして民主党なし、という感じであった。しかし民主党政権の失敗によって、連合は民主党に対する幻滅感が生じ、期待と失望が入り混じる状態であった。党名も新たに民進党としたところに蓮舫代表が登場し、共産党を含む野党連合構想に走った。連合の中には共産党との連携を嫌う組織もあり、連合と民進党との関係はさらに混沌としたものになったのである。連合はこの都議会選挙でも、かなりの都民ファーストの候補者を支援している。これは少なくとも民進党の方針に対する圧力といえる。いつまでも黙って民進党を支援するわけではないというメッセージだ。
第3の要素は、都民ファーストと維新との距離である。小池知事が誕生したときは、小池知事勢力と維新とは将来的な連携や合併もあると考えられるくらい協力的な雰囲気があった。東京と大阪の地域に根ざした政党が、全国区で新党を展開したら新たな流れになると思えた。しかし、主張や手法の違いから、小池知事と維新とは徐々に距離感が生じるようになった。維新は連合や公明党と連携するのはかなり難しい。都議会選挙では、むしろ敵対するような発言が相次いだ。都議選の結果は維新の敗北であり、公明党と連立し、連合と協力した小池知事路線が勝利したのだ。
第4の要素は、民進党の大敗北である。この都議会選挙で民進党が獲得した議席はわずかに5。0議席を予想する声もあっただけに5議席でも善戦という人もいるが、到底、二大政党の一角が誇れるような議席数ではない。すでに民進党は野党第一党のポジションを失いつつあるのだ。抜本的な党内改革が行われなければ、都民ファーストのような新たな流れが生まれたら、一気に存在感をなくしてしまう状態なのだ。連合だけでなく他の支援者も離れつつある。
こうしたことを総合的に考えれば、十分に小池新党を中心とした新たな極の誕生が想定できるのだ。これは第3極ではない。自民党に対抗する第2極を最初から目指すものだ。小池塾には非常にたくさんの候補予定者がいる。公明党や連合と連携するなら、自民党に対抗できるだけの勢力を作ることが可能だ。これからの自民党や民進党のあり方や小池知事の人気の持続などが複雑に入り交じる中での展開になる。実際にどうなるかは秋以降の政党間距離を見ていく必要がある。少なくともこの都議会選で新たな可能性が生まれたことは確かだ。(おわり)
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