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2017-07-06 00:00
アベノミクスの成果に国民は満足している
加藤 成一
元弁護士
昨年12月に発表された『民進党政策集2016』で、民進党は「人への投資」を重点政策に掲げ、具体的には、出産、育児、教育、若者への人材投資や、医療、介護、年金制度の充実などを主張している。しかし、問題はそのための財源が確保されていないことである。このままでは、必要な財源を確保できず、民進党の経済政策は絵に描いた餅になるだろう。民進党は「アベノミクス」を失敗と断定し、現在の日銀による量的質的金融緩和政策に反対し、それらの政策の撤回などを主張している。具体的には、(1)日銀によるマイナス金利政策の撤回、(2)日銀による大量の国債や上場投資信託(ETF)購入の撤回、(3)年金積立金運用独立行政法人(GPIF)による国内株式及び外国株式の運用比率を合計50パーセントとした現行運用政策の撤回、などを主張している。
しかし、(1)のマイナス金利政策は、それによって金融機関が日銀に資金を預けると逆に手数料を取られるから、金融機関から企業や個人に貸し出される資金量が増える。その結果、企業の資金繰りが潤沢になり、経済活動が活性化する。また、住宅ローン金利が低下し、不動産売買が促進される。さらに、円を持っていても金利が付かないから、円を売ってドルなど外貨に換えれば円安になる。円安は輸出企業の業績を向上させ、訪日外国人観光客の増加をもたらし、国内消費が増える。このように、マイナス金利政策は預金者や金融機関にはデメリットがあるが、それ以上に経済を活性化させる効果があるから、民進党が主張するマイナス金利政策の現時点での撤回は、デフレ脱却や景気回復に悪影響を及ぼすであろう。
(2)の日銀による大量の国債や上場投資信託の購入は、それによって、市中に大量の資金を供給し、民間の資金需要を満たし、経済活動を活性化させる。そのため、企業業績が向上し、雇用の増加、賃金の上昇をもたらす。上記政策により、長期金利は安定し、為替も円安水準にある。その結果、現に企業業績は向上しており、ほぼ完全雇用の状態にあり、税収も増加している。従って、民進党が主張する上記政策の撤回は、これらの経済効果を減殺し、デフレ脱却や景気回復にはマイナスであろう。
(3)のGPIFによる年金積立金の運用について、民進党は、2015年度に5兆円の運用損を計上したことで政府を攻撃し、国内株式及び外国株式の運用比率を合計50パーセントとした現行の運用政策の撤回を主張した。しかし、その後、2016年10月~12月期に10兆円の運用益を計上してからは、声高に批判しなくなった。日経平均株価が2万円前後にまで上昇した現在では、運用益はさらに巨額となり、年金積立金は拡大している。従って、内外株式の運用比率を50パーセントにまで高めた政府の運用政策は、株価を下支えし、株価の上昇、年金基金会計の改善にプラスであり、誤りではなかったと言えよう。民進党が主張する現行運用政策の撤回は、株価暴落の危険性さえ否定できない。
大胆な金融政策、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略の、いわゆる三本の矢からなる「アベノミクス」により、株価、経済成長率、企業業績、雇用、賃金、税収、年金基金、経常収支など、多くの経済指標で、相当な改善が認められることは否定できないであろう。そうすると、もし将来、そのような「アベノミクス」と正反対の民進党の経済政策が実行された場合には、円高、株価暴落、経済成長率の低下、企業業績の悪化、失業率の上昇、賃金の低下、税収の減少、年金基金会計の悪化、経常収支の悪化などのため、日本経済が「失われた20年」のデフレ時代に逆戻りする危険性があろう。現実的な国民は「少々の問題でこの政権(安倍政権)を潰してはならない」と考えているのである。
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