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2017-06-26 00:00
最近の対中経済関係について
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
知人から、お前の対中国強硬姿勢は頷けない、世界が多極化しつつある中での、日本のビヘイビアーはより柔軟であるべきとの強いお叱りを受けた。その根本は、相互主義で行きましょうということだ。5月14-15日に北京で「一帯一路フォーラム」が開かれた。習近平は演説の中で、中国は地域の平和を求めている、グローバルへの趨勢は大いに推進する、沿線の国々へ経済発展のためにまずインフラ整備を行う、などと述べた。日本からも、二階自民党幹事長などが参加した。また、6月15-17日には、韓国の済州島でAIIB総会が開催された(来年はインド開催の予定)。これらの流れのどこがおかしいのかと知人はおかんむりだ。
彼は、日中は協力し、経済のブローバル化、自由貿易の促進などを推し進めるべきだとの論だ。中国側は日本の関係者へ、AIIBに日本および米国は不参加であるが、実際は米企業は仕事を受注しているなどとささやいている。まあ。米も日本と同じ民主と自由の国であるから、一部そうした動きもあり得よう。そして、一部の日本人も、「日中で一つの平和モデルを構築して米や欧州などの西側へ攻勢を掛けよう」などと述べる。こうした時、中国側は、よく、「お互い相手の嫌がる発言を慎もう、不必要に刺激して、政治問題化させない。歴史、領土問題、隣人同士どこの国でも少なからぬ問題はありうる、平和を目指し、アジア安保保障体制を築こう」などと述べる。
こうした考えに対しての私の答えは、「21世紀のシルクロードたる『一帯一路』構想には、日本は入っておりませんよ、東アジアの海で一方的な航空識別圏を設定したのはどこの国ですか?まず日中韓FTAなどといっても、その自由度の低さは、親中韓国ですら不満足ですよ」というものだ。AIIBは、最近アルゼンチンなどが加わり、80か国となった。しかし細かく見ると、スタッフは百数十名程度で、ADBは3千人以上のスタッフを抱え、50年の経験がある。これでは、現地の環境、住民に配慮して企画など無理ではないのか?中国は、しきりに平和推進のためというが、中国覇権拡大のためではないのか、港などの建設は軍港として使う布石ではないのか、「フォーリン・アフェアーズ」などの西側記事にもある通り、沿線の貧しい国を新植民地化させようとしているのではないのか。自由と民主主義の国家では、人々の自由な意見発表をまったく制止することは不可能だ。
しかし中国は、自国に少しでも不利益とみるや、そうした国の一部の意見を大々的に取り上げ「政治問題化させている」と叩く。領土問題などを「係争イッシュウ」として認め、棚上げして交流を進めようとの言葉は、中国の常とう手段だ。そうしておいてある日突如として、力によって自国に有利な解決を図る。領土問題など、既存の国際法ルールに反抗し、これは先進国主導でつくられたもので、途上国には不利にできているなどと述べ、歴史の経緯をもっともらしく展開させ、相手を組み伏せる。最近の南シナ海問題などこれにあたる。5月11日付の本欄への橋本宏氏の「『最近の歴史認識問題について』を読んで」で、橋本氏が沖縄問題に取り組まれ、その苦労を披歴されておられた。最近沖縄では、軍事拠点から経済拠点へとの発言が目立つ。中国はこれを強力に後押ししている。しかし、それでは、中国の海南島、その他沿海地域の軍港を相互主義で、軍事拠点から変更させるかといえばそうではない。
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