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2007-02-18 00:00
連載投稿(3)「骨のある政策」と問われる志の有無
山下 英次
大阪市立大学大学院教授
前回、「ASEAN+3」誕生のきっかけになったともみられる「少年マイケル・フェイ事件」をご紹介した。この事件のその後であるが、欧米マス・メディアの非難にもかかわらず、シンガポールは、鞭打ちの回数を減らすなど、多少量刑を軽減したものの、1994年5月5日、あくまでも自分たちのやり方にしたがって、この少年に対する刑罰を執行した。
マイケル・フェイ事件の教訓として、私は以下の点を強調したい。まず第1に、時として、外交はひょんなことから大きな展開を示すこともあるということである。マイケル・フェイ事件でのアメリカとの関係悪化がなかったとしたら、ゴー・チョクトンがフランスに接近するなどということもなかったかもしれないし、「ASEAN+3」―すなわち実質的にはEAEG構想―の誕生もなかったかもしれない。あるいは、誕生がもっと遅れていたかもしれない。われわれアジア統合論者は、単なる悪がきのマイケル・フェイ少年に感謝しなければならないのかもしれない。
第2に、小国であるシンガポール政府にこのような骨のある政策が取れるとしたら、わが国も、やろうと思えば、できないことはないはずではないかということである。残念ながら、わが国の外交は余りにも志が低すぎる。国として持ちうる能力のはるか下のレベルしか目指していないのではないだろうか。思えば、アメリカも、フランスも、中国も、ロシアも、ある意味では思い切り背伸びをしている国である。無論、日本の場合、政府だけの責任ではなく、国民の志も低いからそのようなことにあるのであろう。(つづく)
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