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2017-06-14 00:00
(連載1)農業・漁業の再生は第10次産業化の発想で
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
6次産業という言葉はかなり定着してきた。農業や水産業、林業などの第一次産業は、日本においては長期低落傾向にある。産業として衰退し、従業者人口も激減している。さらに極度の高齢化が進み、将来は極めて厳しい状況になっている。海外から非常に安価な農業・林業・漁業の産品が入ってくる。農畜産物、水産物、木材などの素材だけの勝負では展望を作ることはできない。
農業経済学者の今村奈良臣氏は6次産業を提言した。6次産業は、第1次産業の農畜産物、水産物の生産だけでなく、第2次産業の食品加工や、第3次産業の流通、販売にも農水産業者が主体的かつ総合的に関わることによって、付加価値のあるビジネスを展開するものだ。第1次産業、第2次産業、第3次産業をすべてミックスするということから、第6次産業という言い方がされてきた。第1次産業の農林水産物を売り出すのに、第2次産業や第3次産業との連携を行うというアプローチがこの第6次産業となっている。
確かに、農林水産物をそのまま売っても、限界がある。はるかに安価な海外からの輸入品には勝てない。そこで様々な工夫をして、付加価値を高めて、発想力と技術力で対抗しようというのだ。素材そのものだけでなく加工し、付加価値を与えることは意味がある。また、作物をそのままではなく調理・加工・パッケージングして販売することが出来るので、市場への卸価格に左右されることなく安定した収入が得られる。採れすぎ貧乏、作りすぎ貧乏を避けることにも繋がる。そして産品のブランド化にも繋がる。「6次産業化」という言葉は魔法の言葉のように飛び交った。
発想は理解できるし、支持する人も多い。しかし、実際に成功した例は多くない。なかなか6次産業の成功事例がでてこない。農林水産省が出す「成功事例集」には非常にたくさんの「成功事例」が載っている。農林水産省などの補助金で多くの取り組みがされ、それらが「成功例」として載っているのだ。しかしその中で本当に成功と言えるのは限られている。成功するかにみえて失敗、という事例もたくさんある。星の数ほど失敗しているのだ。(つづく)
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