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2017-05-19 00:00
(連載2)波紋を呼んだFBI長官の解任
川上 高司
拓殖大学教授
この解任は政府の干渉である、売られた喧嘩は買ってやるとばかりに同日開かれた公聴会でマックケイブFBI長官代行は「コーミー氏のFBI当局内の職員の支持は厚かった。誰もが、もちろん私も彼へは絶大な信頼と尊敬を寄せていた」と真っ向からトランプ大統領に反論した。そしてロシア疑惑の調査は継続しその報告はホワイトハウスには今後上げることはしない、とまさに喧嘩を買って出たのである。
コーミーは2013年オバマ大統領によって指名されFBI長官に就任した。本来なら長官の任期は10年である。もちろん大統領に解任の権限があるので今回の解任は違法ではない。だがFBIは独立した捜査機関であり、その長官が任期途中で解任されるのは権力による司法への干渉ととらえられかねない。歴代大統領は慎重だったが、やはりトランプ大統領は型破りで前例にとらわれないようだ。
ではトランプ大統領がコーミーを解任したのはなぜか。選挙期間中クリントンのメール問題でFBIが新たな証拠を発見し、そのためクリントンは国民からの信頼を失ってトランプ有利に傾いたと言われている。そうであればトランプ大統領はFBIに借りがあることになる。だが、トランプはその後FBIがクリントンを訴追しなかったことを根に持っていたらしい。周囲には自分が当選したらコーミーを必ずクビにすると言っていたようだ。
それよりもコーミーを就任させたのがオバマであったことが最も大きな動機ではないのか。トランプは自分で人事を決めたがる。とりわけオバマの人事など許しがたい。国家安全保障担当補佐官のフリン解任の後、候補者が次々と辞退してなかなか後任が決まらなかった。その理由のひとつが「自分の部下を自分で選べない」ということだった。自分が気に入った人材しか登用しないのであれば、周囲はお気に入りか身内で固まっていく。アメリカはまるで独裁国家のようになっていくのだろうか。そのような政権がどうなるかは歴史が教えてくれる。(おわり)
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