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2017-04-25 00:00
(連載1)アメリカは北朝鮮にどのように攻撃するのか
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
朝鮮半島有事のリスクが報道されている。歴代のアメリカ大統領は、北朝鮮が挑発を続けても、実際に武力行使をすることはなかった。今回も、トランプ大統領は挑発的言動をするにしても、最後は武力行使をしないとみる人も多い。そうあってほしいものだが、実際にはかなり危険な展開が想定される。
トランプ大統領が北朝鮮に武力攻撃をするときに考慮すべき点は主に2つだ。まず第一に、中国がアメリカの武力行使に反発して、米中間の紛争に発展しないことだ。ロシアまで参戦すると想定できないくらいの大混乱に陥る。もう一つは、北朝鮮からの反撃を最小限に抑えることだ。首都ソウルは南北国境からわずか40キロである。核ミサイルでなく、通常のミサイル爆撃でも大都市ソウルは大きな被害を受ける。もちろんアメリカからすれば在韓、在日米軍基地の被害も最小限に抑えたい。斬首作戦について語られることが多い。ともかく北朝鮮問題の中心は、金正恩氏という個人である。この国家リーダーの斬首によって新たな展開を模索するということだ。この作戦には幾つかの懸念がある。
どれだけ確実に金正恩氏の殺害ができるか。殺害が失敗した時に報復攻撃があるのではないか。仮に殺害できたとしても、その前後に北朝鮮からのミサイルが発射されることがあるのか。殺害の後の北朝鮮の政権交代が混乱なくできるのかどうか。北朝鮮には隠された情報も多く、読みきることができないということが、不安を深める。おそらくアメリカ軍は、斬首作戦とともに、軍事基地総破壊戦略を展開すると考えられる。金正恩殺害計画がどのようになろうとも、すべての軍事基地が破壊されるなら、報復の能力は限定的になる。
米ソ冷戦時代には、アメリカはまずトータル・ニュークリア・ディストラクションを戦略に入れた。つまりソ連のすべての核ミサイルを先制攻撃によって破壊するという戦略だ。これが完全にできればアメリカの一人勝ちになる。しかしすぐに、ソ連もアメリカも移動式ミサイルやSLBMなどの開発によって、相互確証破壊(mutual assured destruction: MAD)を確立した。つまり米ソのどちらか一方が、相手に対し核兵器を使用した場合、もう一方の国が先制核攻撃を受けても核戦力を生残させ核攻撃による報復を行うことができる状態だ。核戦争になったらどちらも滅亡する、ということが明確になれば、どちらも攻撃はしない、ということだ。恐怖の均衡による平和が可能だという理論になる。(つづく)
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