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2017-04-05 00:00
(連載2)日本主導のTPPは可能か
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
メキシコやカナダはトランプ政権と対立しつつある。こうした国にとってTPPは以前よりもさらに重要な意味を持っている。アメリカ抜きでもTPP参加国のGDPは約11兆ドルで小さくない。経済発展している国が多いので5年後位には15兆ドルを越える可能性が高い。日本はTPPを基盤に米国、中国、EU、インド等との貿易で戦略を組むことが可能だ。もちろん貿易はプラスの面だけでなくマイナスもあるから、単純な答えは出せないが、アメリカ抜きでも新TPPは日本にとって新たなチャンスを提供するものだといえる。世界経済は、アメリカ、中国、EU、TPPの4極で形成されることになる。
実は、日本国内でTPPへの反対の理由が最も強かったのは、アメリカとの条件規定についてであった。懸念されたISDS条項の問題も巨大資本を抱えるアメリカが入らないのであれば、削除・改訂してしまえばいい。新薬のデータ保護期間、食品の安全などもアメリカがらみの問題だ。つまりアメリカ特別枠を考えなくても良くなるわけで、むしろTPPはよりやりやすくなる。
農業大国であるオーストラリア、ニュージーランド、カナダなどが入っているので、アメリカが抜けても、日本農業は大丈夫か、という声はあるだろう。しかし、今のままでも日本の農業は衰退しているのだ。「関税で守る」という姿勢だけでは日本の農業は守れない。思い切った農業改革とともに「日本の農業の海外展開」も考えるべきだ。
TPP加盟国を中心に、日本資本で、日本の農業技術で新たな農業戦略を外国でするというものだ。準国産の農産物を作っていくのだ。日本の若いやる気のある農業経営者は新転地で思いっきり新時代の農業に挑戦してみてはどうか。「国産」の改革とともに「準国産」の展開で農業の未来を切り拓くのだ。このように考えると、大きな壁はまだありそうだが、アメリカ抜きのTPPの展開は十分に可能だ。アメリカが抜けて、むしろ新たなチャンスが到来したとも言えるかも知れない。貿易立国日本は岐路にいる。(おわり)
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