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2017-03-30 00:00
(連載1)本格化する韓国大統領選挙
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
3月10日に韓国の憲法裁判所は朴槿恵大統領の弾劾追訴を妥当と判断し、朴氏は大統領職から罷免された。次期大統領選の日程は、5月9日と決められた。本格的な大統領選挙が始まっている。朴大統領の弾劾を受けての選挙だけに、朴政権の政策方向を否定する候補者が有利になる。保守系の与党「自由韓国党」(旧セヌリ党)は不利な状況であり、与党からの候補者としては有力視されていた黄教安首相(大統領権限代行)は立候補を断念した。
各種世論調査では、革新系の最大野党「共に民主党」の文在寅前代表がトップを独走している。現在、名前が挙がっている主な候補者は、「共に民主党」からは文在寅前代表、忠清南道知事の安熙正氏、城南市長の李在民氏で、野党第2党の「国民の党」からは安哲秀前共同代表である。与党「自由韓国党」は黄教安首相の立候補断念もあり、有力候補がいない状態だ。今回は実質的に「一回休み」という雰囲気となっている。3月17日に公表された韓国ギャラップの世論調査によると、共に民主党の文在寅前代表の支持率が33%で、続いて安熙正忠清南道知事が18%、安哲秀議員が10%、李在明城南市長が8%となっている。(韓国大統領選挙主要人物好感度調査 資料:韓国ギャラップ/ハンギョレ新聞社より)
まだ大統領選挙までは時間があるので、2位につけている安熙正氏が逆転の可能性もありそうにみえるが、今のままの状態ではそれは難しい。4月3日には「共に民主党」の予備選が行われる。そこで「共に民主党」の候補者の一本化が図られるが、党内での支持は圧倒的に文在寅氏が上回っている。今から2週間程度しかないわけで、まずこれが覆ることはないだろう。「共に民主党」からはほぼ間違いなく文在寅氏が候補者として選ばれるだろう。
となると「共に共和党」の文在寅氏と「国民の党」の安哲秀氏の一騎打ちになる可能性が高い。確かに安哲秀氏は外交面ではアメリカとの協調もほのめかしており、保守勢力もどちらかの選択となれば、安哲秀氏に票が流れる可能性もある。経済面では保守派とはかなり異なっており、票の流れも限定的になりそうだ。多少票が安哲秀氏に流れても、現状では文氏と安哲秀氏の支持率の差は大きく、逆転は厳しい。(つづく)
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