ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2017-03-25 00:00
(連載2)追い詰められている北朝鮮
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
中国は国としては北朝鮮を支配下に入れたままにしたいのだが、金正恩政権は潰したいというジレンマに陥っていると考えられる。中国政府の極めて中途半端な対応がこのジレンマ状況を物語っている。北朝鮮の核実験やミサイル発射では、最近は国連安保理の批判声明を承諾しているが、実質的な経済制裁には後ろ向きな態度をとっている。金正恩体制には怒りながらも、北朝鮮を潰したくないということで、曖昧な態度となっている。
北朝鮮からすれば、韓国、アメリカ、日本だけでなく、中国をも敵にまわす形になり、完全に追い詰められたといえる。核兵器開発やミサイル開発もアメリカへの対抗策というよりも中国への牽制であるのではないか。北朝鮮がアメリカまで正確にミサイルを飛ばすのはまだ先の話だし、もしそうなったとしてもアメリカに決定的なダメージを与えることは無理だ。だが、北京、上海を狙うことは可能だ。1撃でかなりの被害を出させることは現実的なシナリオである。もちろんソウルもだ。これらの都市を人質にして、交渉をして新たな展開を模索するということだろう。
現在、韓国では朴前大統領の後の大統領選挙が行われようとしている。次の大統領に文在寅氏が就任することになれば、北朝鮮にとっては新たな展開を構想することができる。中国からも、アメリカからも独立する北朝鮮主導の朝鮮半島統一を模索することも可能になる。しかし当然のことながら、中国にとっても、アメリカにとってもそうした動きはリスクが高く、容認するとは考えられない。核兵器とミサイルを保有した北朝鮮、しかも、アメリカと中国という軍事大国が絡んでいる北朝鮮に、武力攻撃することは、あまりに危険であり、動くに動けない状態でもある。現実的に考えられるのは、金正恩政権だけを替えるクーデターだ。金正恩氏暗殺計画が噂されるが、可能性は否定できない。ただ、あまり指摘されないが、逆に北朝鮮が習近平氏を暗殺するというシナリオもある。
北朝鮮は追い込まれている。中国が牽制しようと、アメリカが威嚇しようと、国連が制裁を加えようと、ますます攻撃的になっている。「窮鼠猫を噛む」の状況が本当に起こり、朝鮮半島が混乱に陥ることはなんとしても避けなければならない。難しいことだが、米中のコミュニケーションと米日韓の連携強化は不測な事態にも最低限の混乱で抑えるために重要だ。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会