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2007-02-09 00:00
日本外交の試金石:潮目が変わったか六者協議
滝田 賢治
中央大学教授
東アジアに協調・協力の枠組みを構築していく上で、最大の問題となっているのが北朝鮮問題であることは今更いうまでもない。この問題解決のために現在、北京で開催中の六者協議は、明らかに今までとは違う流れとなってきている。この流れの変化、潮目の変化に日本政府が如何にしたたかに対応して行けるかが、今後の日本外交の試金石となっているように思われる。
この潮目の変化の背景には、昨年7月と10月の北朝鮮によるミサイル・核実験と11月のアメリカ中間選挙の結果を受けて開催されたベルリンでの米朝直接協議があることは論を待たない。日本政府がベルリン協議の詳細をどの程度知らされていたかは定かではないが、この協議に臨む日本政府の原則、すなわち拉致問題の解決が無ければ対北朝鮮支援は行わないという原則を堅持しつつも、アメリカとの協調関係を維持していかざるを得ない。
この原則を無視し、拉致問題を棚上げにして対北支援に踏み切り、さらには国際的圧力によって日朝国交樹立に突き進めば、それは日本の如何なる政権にとっても政治的自殺行為であることは明らかである。さりとて対北宥和政策――観察者によっては「再保障政策」と認識するかもしれないが――にコミットしている中ロ米韓に背を向ければ、北朝鮮ではなく逆に日本が孤立することになる。この協議の大テーマは北朝鮮の核問題を解決することであるという他の5カ国の認識を日本としても受け入れるポーズをとりつつ、如何にして日本政府がこのプロセスに拉致問題解決を落とし込んでいくかが問われているのである。
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