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2017-03-10 00:00
(連載1)朝鮮半島の覇権を争う中国とアメリカ
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
朝鮮半島が揺れている。韓国と北朝鮮はいずれも歴史の岐路に立たされていると言って過言ではない。極めて不安定で、リスクの高い状態となっている。韓国は目覚しい経済発展を遂げ、世界でも有数の経済大国の一つとなった。しかし、現在、深刻な内憂外患に悩まされている。破竹の勢いであった経済成長も陰りをみせ、長期停滞の様相をみせている。2016年10月には、朴槿恵大統領の親友である民間人の崔順実が国政に関与していた、いわゆる崔順実ゲート事件が発覚してからは、政治・経済・社会が混乱状態に陥った。
朴大統領の弾劾を求めた大規模なデモや集会が起き、実際に12月には12月9日、国会で弾劾訴追案は議員定数300人のうち299人が参加し、賛成234人、反対56人、棄権2人、無効7人で賛成が可決に必要な3分の2を超え、弾劾訴追案は可決され、朴大統領の大統領権限は停止されている。さらに、崔順実ゲート事件では、韓国サムスン電子の現トップ、李在鎔副会長が賄賂などの容疑で逮捕された。経済にも大きな打撃になる状態だ。外交でも厳しい展開になっている。日本との関係は冷え切ったまま、というよりさらに悪化している。2015年末の安倍首相と朴大統領による「歴史的」とさえいわれた慰安婦問題に関する「合意」で期待は高まったが、結局、その「合意」さえ宙に浮いてしまった。慰安婦像をめぐって、駐韓日本大使は「一時帰国」に入ったままだ。
蜜月と言われた中韓関係も、THAAD配備をめぐって、今では日韓関係以上に悪化していると言われる。すでに韓国文化・製品の輸入制限が始まっている。THAAD配備に土地の提供を行ったロッテには露骨な嫌がらせが行われている。このままTHAAD配備になれば、ロッテだけでなく、サムスンやヒュンダイの製品のボイコットなどにも広がる可能性がある。中国への輸出に依存している韓国経済は致命的打撃を受けるかも知れない。アメリカとの関係も微妙な状況だ。トランプ大統領の就任によって、韓国との貿易にはさらに厳しい条件がつけられそうだ。韓国はアメリカと中国の板挟みになり、司令塔欠如のままに立ち往生している。
北朝鮮は、金正恩最高指導者のもとで、挑発的な政策をとってきた。度重なる核実験やミサイル発射は、韓国、日本、アメリカだけでなく、中国との関係も悪化させた。確かに経済制裁にも打たれ強い体質はあるだろうが、中国や韓国の本格的な経済制裁は打撃を与えそうだ。中国は真剣な「警告」として北朝鮮からの石炭の輸入をストップするという制裁を履行した。これによって北朝鮮は金正恩政権の主要な外貨獲得源を失うことになった。少なくとも表ビジネスでの外貨稼ぎは急減するはずだ。この状態にプラスして、金正男氏暗殺事件が起き、ならず者国家・北朝鮮のイメージがさらに強まった。関係の良かったマレーシアも北朝鮮との関係を見直す方向だ。北朝鮮の独裁による洗脳は、どのような状況でも「安定した秩序」を形成してきて、クーデターは起こらないといわれてきたが、さすがに状況は流動的となっている。(つづく)
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