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2017-03-03 00:00
「日中対話」に参加して
池尾 愛子
早稲田大学教授
2017年2月20日午後、東アジア共同体評議会、グローバル・フォーラム、上海外国語大学日本文化経済学院、上海社会科学院日本研究センター、復旦大学国際関係与公共事務学院の共催、東京大学持続的平和研究センター後援で、「日中対話:少子高齢化時代の日中協力のあり方」が開催された。既に会議資料は本ウェブサイトに掲載されていて、報告書が作成されつつある。今後ぜひ注目していただきたい大きな論点も含まれていたと思われるので、注意を喚起しておきたい。
第1セッション「少子高齢化時代の持続可能な発展に向けて」では、第1に中国のシルバー産業づくりに向けて、見事な概況報告があった。第2に、中国経済のかかえる諸問題がわかりやすく解説され、質問に応じて所有制改革についても説明された。第3に、アジア太平洋地域の国際フォーラムを通しての取り組みについて、中国の見方が紹介された。第4に、高齢社会対策での協力に向けての注意点と世界銀行などの取り組み(Digital Dividend)が紹介された。
第1セッションは大変和やかに進行し、セッション終了後、上海からの参加者たちと打ち解けて交流することができた。本セッションで取り上げられた問題について、研究者同士ではかなり議論がかみ合うようになってきていることが感じられた。ただ、具体的なビジネスでの問題が取り上げられると、研究者には議論も解決もできない問題が生じていることがわかる。
第2セッション「日中関係の安定化と信頼醸成に向けて」では、短時間では議論しつくせない諸問題があることがはっきり見えてきたのではないか。英語での表現に引っ張られるかたちで、「Rule of Law 法の支配」、「Rule by Law 法による支配、依法治国家」というフレーズが使われるようになっている。司法の問題にゆく前に、「法」の中味の違いが質されていると思う。法や政治の基礎を問う問題提起が含まれるようになっていると思う。「『社会主義』に資するために『市場経済』を利用する」という考え方が残っているのであれば、根本的なところで対立していることになるのではないかと思う。
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