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2017-02-11 00:00
(連載2)早くも囁かれ始めたポスト・トランプの可能性
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
トランプ大統領は70歳で、就任時に最高齢の大統領である。高齢が話題になった第40代大統領のロナルド・レーガン氏は69歳でトランプ氏よりも若干若かった。いうまでもなくアメリカ大統領職は激務であり、特にトランプ大統領は批判も半端ではなく、精神的なプレッシャーがかかる。なんらかの体調不良が起こってもおかしくはない。暗殺もかなり現実的なリスクだ。オバマ大統領も就任時には初めての黒人大統領の誕生ということで、暗殺の危険性が論じられたが、敵を少なくする戦略もあり、暗殺には至らなかった。しかしトランプ大統領にはすでに国内外に怒り狂った敵がいる。トランプ大統領を差別主義者と罵る人もいれば、テロリスト的な人もいる。どこから弾が飛んできてもおかしくない状態だ。
ニクソン大統領のように辞任に追い込まれるシナリオも現実的だ。これまでもビジネスの中でも問題視される部分はある。メディア、知識人、IT企業実業家などを敵に回しているわけで、問題が明らかになれば、辞任に向けての大集会・大デモが組織される可能性がある。メディアも徹底的に叩くだろう。このように考えるとトランプ大統領が病死、暗殺、辞任のいずれかで交代となる可能性はかなり高い状態になっていることがわかる。
もう一つ重要なポイントは、誰が引き継ぎ、その人がどのように見られているか、である。副大統領はマイク・ペンス氏で、インディアナ州知事、連邦下院議員、連邦下院予算委員長などを歴任している。共和党の保守的政治家であり、ティーパーティー運動にも参加している。ちょっと前まではティーパーティー参加者は極右のようなレッテルが貼られていたが、共和党の大統領候補者争いに加わったテッド・クルーズ氏やマルコ・ルビオ氏らもかなりの保守で、トランプ氏がでてくると、彼らがまともなような感じがしてきた。
ペンス氏は、インディアナ州知事時代には海外企業の誘致にも熱心であった。日系企業の誘致にも積極的で、トヨタなどの企業とパイプがある。TPPにも基本的には賛成派とみられている。また、移民政策においてもトランプ氏のような反対派ではなく、バランスがとれているといわれる。キリスト教保守的な発想からLGBTへの厳しい見方をしていることは批判の的になっている。しかし、その他においては何をするかわからないトランプ政権において、バランサー的役割を果たすと見られている。つまり、ポスト・トランプとしてマイク・ペンス氏の昇格を歓迎している人がかなりいるということだ。政治家としての経験も豊富で、安定感のある保守だ。アメリカの混乱が進めば、ペンス待望論が強まる可能性が高い。(おわり)
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