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2017-02-03 00:00
イスラム7か国の国民に関するトランプ大統領令
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
トランプ大統領が、イスラム7か国の国民のアメリカへの入国を禁ずる大統領令を発出したというニュースが、世界で衝撃をもって受け止められています。テロリストの可能性があるものを一切入国させないためということのようです。もちろん、アメリカ人が選んだ大統領がアメリカの法令にのっとってアメリカ国内で行う行政行為ですから、自国民が影響を受けない限りは、我々が口を挟む筋のものではないとは思います。しかし、あまりに極端な方法で、かえって世界の断絶を強め、世界の安全をかえって脅かしてしまいかねない可能性もありますので、あえてここに私の受け止めを書かせていただきます。
目的は理解できるものの、個人ではどうしようもない属性を理由に、何の罪もない普通の人の入国を拒否するという方法は、少なくとも自由な国がとるべき手法ではないというのが私の率直な感覚です。またこの方法では、テロリストの迫害を受けて国を脱出しようとする人を見殺しにすることにもなりかねません。世界の主要国の反応は概して否定的ですので、このような排他的な動きが世界に広まることはないと思われますが、万一にでもそのようなこととなれば、世界中が憎悪の連鎖ともなりかねません。9.11の後にも、様々な議論がありました。しかし、イスラム過激派テロリストと一般のイスラム教徒を明確に分けるべきで、イスラムというだけで差別するべきではない。これがブッシュ政権下のアメリカの中でも広く受け入れられていた考え方でした。
そうでなければ、一般のイスラム教徒を追い込んだり反米感情をいたずらに煽って、テロリストが勢力を拡大する隙を与えることになってしまう。もちろん、結果として、それ以降のすべてのテロを抑制できたわけではありません。しかし、イスラム世界全部を敵視していたとしたら、もっと悲惨な世界となっていた可能性が高いのも事実だと思われます。今の生活や経済を考えれば、完全な閉鎖的な社会は現実的ではありません。現在のすべての社会の前提は、ヒト、モノ、カネの最適化であり、そのためにはそれぞれが流動化することが必要です。
セキュリティ、安全のためにその一部を様々な技術により排除、隔離することは当然必要です。しかし、その流れのすべてをせき止めてしまうことはあまりに極端な議論と言わざるを得ません。我々は開放的な世界に生きることを前提にテロ対策を考えるべきなのではないでしょうか。特に、島国である日本にあっては、社会、経済、国家をオープンにすることができるか否かが、長期的な国益、国力を左右します。そして当然、国際社会もオープンでなければ得べかりし利益を享受できません。今後トランプ大統領がどのような方向に行くのかを見極めながら、G7などの場において、他の自由な国々と連携し、自由でオープンな世界を守っていく役割が日本には求められるのではないでしょうか。
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