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2007-01-31 00:00
「身の丈外交」でよいのか?
渡邊 頼純
慶應義塾大学教授
昨年末、上海の復旦大学へ慶應義塾大学SFCの大学院生を連れて行く機会があった。SFCでは水曜日の第1時限にSFCと復旦大学、それにソウルの延世大学を衛星で結び大学院の遠隔授業を行っており、年に数回それぞれの大学がホスト校となってシンポジウムなどを開催している。
そのシンポジウムで、ある中国人の学生が東アジア共同体構築の困難な点として「謝らない日本」(unapologetic Japan)をあげた。コメントを求められたので、小生は1995年の「村山談話」以降の流れを説明し、「謝らない日本」というイメージは事実認識として正しくない旨指摘した。これに対し、ボツワナから来ているという留学生が反論、「中国のテレビを見ている限り、やはり日本は過去にひどいことをいっぱいしたし、ちゃんと謝っていない」と中国政府寄りの発言をした。このやり取りに小生は危機感を持たざるを得なかった。皆さんはどのように思われるだろうか。
現在中国はアフリカへの接近を強化している。胡錦濤主席はこの1年の間に3回もアフリカを訪問、昨年の中国の対アフリカ貿易は500億ドルに達している。北京で昨年開催されたアフリカ・サミットにはほとんどの首脳が参加した。貿易、援助、投資、エネルギー確保、そして人材育成・学術交流と中国のアフリカ政策はダイナミックで、アフリカ大陸における中国のプレゼンスは確実に上がっているとの印象を受ける。
日本が大使館を置いていない国にも中国は大使館を設置している。少子化、財政逼迫などさまざまな理由で「身の丈」にあった外交で日本はよいではないか、と考える向きもあるようだが、果たしてそれでよいのか。帰路の飛行機の中で少々不安になった次第である。
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