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2017-01-25 00:00
逆風が吹き荒れるトランプ大統領の就任
川上 高司
拓殖大学教授
トランプはやっぱりトランプだった。20日、ワシントンでは第45代トランプ大統領の就任式が行われた。さすがに緊張した面持ちでトランプは就任式に臨んだ。その就任演説もまたトランプらしいものであった。演説ではワシントンエスタブリッシュメントから政治を国民に取り返すといい、富も夢も仕事もアメリカ国民に取り戻す、「bring back to you」を連呼していた。そしてもはやトランプの標語ともなっている「アメリカファースト」と「再び偉大な国にする」を約束した。問題はトランプがいう「you」がいったい誰をさすのか、ということにある。
就任式を見ようと集まった人々は、8年前とは大きく様子が異なっていた。そこには白人がほとんどで黒人の姿はなかった。8年前には180万人がこのワシントンに集まって歴史的な就任式を目の当たりにした。その多くが黒人だったのだ。今回の就任式では議員らの欠席が相次ぐという異例の事態だった。前日には反トランプのデモが暴徒化して不穏な空気に包まれていた。モールも閑散としており、決して明るくはないスタートとなった。
それもそのはずで、2009年の就任式では当日ワシントン地区の地下鉄の利用者数は51万3000人だった。オバマ人気に陰りが見えてきた2013年ですら31万人だった。さらに言えば不人気大統領として名を残したブッシュ大統領の2005年の就任式ですら19万7000人はいた。さらに就任式後にはワシントンでは反トランプを掲げる女性達によるデモ行進が行われた。このデモには映画監督のマイケル・ムーアなども参加して反トランプをアピールした。さらにはこのデモに連動して女性達のデモはアメリカ国内だけでなく全世界の主要都市でも起こり、トランプの女性差別に対して抗議の意を表明した。まさに世界中で逆風が吹き荒れる中でのトランプ政権のスタートとなった。
ピューリサーチセンターの世論調査によれば、2017年には状況が良くなると期待すると答えたのは49%、悪くなると答えたのは42%だった。その理由はどちらも「トランプが大統領になったから」だ。すでにアメリカ社会の分裂は深く大きくなっている。そのアメリカの分裂をどう修復していくのか、トランプ大統領の課題は重い。
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