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2017-01-21 00:00
韓国に衝撃を与えた駐韓大使の一時帰国
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する少女像が設置されたことに関し、長嶺安政駐韓大使を一時帰国させた措置には、驚いた。2015年12月の日韓合意では、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的」に解決するとされた。日韓関係改善の期待があり、アメリカ政府も問題の決着を歓迎する声明を出した。東アジア情勢は、北朝鮮の核実験やミサイル発射、中国との関係の流動化などもあり、極めて不安定である。日韓関係の改善は東アジアの安定にとっても効果があると期待されたが、ほとんど成果のないままに元に戻った感じだ。1年前の日韓冷戦の雪解けの雰囲気が一変され、長期的な氷河時代の到来の予感さえさせる。歴史的といわれた安倍首相ー朴大統領の慰安婦問題の合意であったが、朴大統領の指導力の低下というか、実質的失墜もあり、状況は悪化したとさえ言える。
日韓関係の冷え込みは北朝鮮との関係は険悪なままで、中国との関係も悪化している韓国にとっては八方塞がりの状態を作っている。日本はこの状態では韓国と連携することは困難であるし、アメリカも躊躇せざるを得ない。政治的に混乱している韓国は、外交的にも北朝鮮、中国、日本、アメリカから孤立し、経済も低迷する中、漂流状態に入りつつある。今回の少女像設置への対抗手段に、日韓通貨スワップ(交換)協議の中断も入っている。中韓関係も悪化する中では、中韓通貨スワップもどれだけ頼りになるかわからない。日韓通貨スワップが提携できなければ、危機対応に不安が残る状態になる。今回の日本政府の措置の発表は、韓国には衝撃のはずだ。
1年前に日韓関係の改善の兆しがあり、期待感もあっただけに、現在の状況は非常に残念だ。韓国の政治状況は不安定で、まともに交渉できる状況にはない。韓国では朴大統領が結んだ「合意」は無効だという主張も強いようであり、国民的な感情も日韓関係改善にはプラスに働いていないようだ。日本は首脳レベルでの「合意」の無効化への抗議はしっかりとした上で、静かに見守るしかない。現在、韓国の政治は流動的だ。まずは(1)朴大統領がどのように、いつ処遇されるか、(2)新大統領が誰がなりどのようなスタンスをとるか、(3)国民感情がどのように動くか、(4)中国、北朝鮮、アメリカなどがどのような距離を新政権にとるか、などを冷静に見極める必要がある。日本政府は合意に基づいて行動したわけであり国際的には理解されるだろう。
日韓関係のこじれは長期化している。韓国の反日だけでなく、今では日本の嫌韓も厳しくなっている。1年前の「合意」は本当に大きなチャンスであったが、このチャンスを生かすことはできなかった。さらに「こじれ」が長期化することも想定する必要がある。時間がかかる作業になりそうだ。それだけに政治的な摩擦には入り込まずに、文化交流、民間交流を地道にやることが求められる。混乱、孤立、漂流の韓国は、こうした状況を続けるわけにもいかなくなるだろう。主張することを主張し、静かに時が満ちることを待つしかないようだ。
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