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2017-01-14 00:00
崖っぷちのレックス・テラーソン
川上 高司
拓殖大学教授
11日、上院外交委員会では、国務長官に指名されたレックス・テラーソンの公聴会が開かれた。アメリカでは国務長官や国防長官など主要な役職には議会の承認が必要である。2012年、国防長官に指名されたチャック・ヘーゲルが軍事委員会で8時間に及ぶ公聴会で厳しい質問にさらされ、史上まれに見る「荒れた」ものになったことは記憶に新しい。
今回のテラーソンの公聴会は3時間ではあったが、共和党からも民主党からも「不支持」ありきのはじめから敵対心むきだしの厳しい公聴会となった。他の長官の公聴会がジョークが飛びかうなどフレンドリーであったことから、テラーソンの公聴会はとりわけ異様だった。特に厳しい姿勢を示したのがフロリダ州議員のマルコ・ルビーオである。自らも大統領選挙に出て撤退、トランプ当選後は国務長官指名もありかと期待もされていた人物だけにテラーソンへの追及もひときわ熾烈だった。
特にテラーソンが追及を受けたのがロシアとの関係だった。エクソン社のCEOであったテラーソンはロシアへの経済制裁を回避させようと議会に働きかけたというのが焦点となった。ルビーオは「プーチンが戦争犯罪人だったらあなたはどうする?戦争犯罪に加担したと思うか」などとプーチンとテラーソンの関係にも追及の手を緩めなかった。それに対してテラーソンは「私の価値観はあなた方と一緒だ」と防戦に手一杯で終始守勢に立たされた。グローバル企業のCEOとしての経験豊富なテラーソンにしてみれば、若いルビーオに責め立てられる一方では屈辱だったに違いない。
もしルビーオがテラーソンを支持しなければおそらく外交委員会の承認は得られず、議会での承認も不可能だろう。そうなればトランプ政権はスタート時点で大きくつまづくことになり、議会との関係にも暗雲が垂れ込める。だが、テラーソンもこのままでは終わらないだろう。公聴会で打ちのめされていては世界でタフな交渉はできない。次の公聴会での反撃が楽しみである。
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