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2016-12-27 00:00
生物多様性の取り組みについて考える
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
国会の許可を得てメキシコ・カンクンでの生物多様性のCOP13に併せて12月7日に開催されたGLOBE Legislator’s summitに出席し、生物多様性の主流化に関して愛知目標達成への道筋などについて各国の代表団との間で議論をしました。生物多様性については、医薬の関係で遺伝子などの資源が移転した場合の受益をどのように分配するのか、地球全体のリスク軽減のために生物多様性をどう維持していくかなど多岐にわたった問題が指摘されています。また、熱帯雨林をはじめ、生態系を維持するためには、企業や個人の行動を変える必要があり、どのようにしてそれを促す仕組みを作るかが重要です。
特に日本は閉ざされた島国で、かつ自然災害も多く、歴史的に鎖国していたこともあることから、自然との共生を地で行く文化を持っている国です。また2010年のCOP10において名古屋議定書、愛知目標という日本の地名を冠した行動計画などもあり、世界をこの分野でリードしてく役割が期待されています。一般的に、個人や企業といった民間セクターの関与が不可欠な政策目標の実現のためには、第一ステージとしての「対話」、第二ステージとしての「インセンティブの付与」、第三ステージとしての規制、というステップを踏むことが多いわけですが、環境問題はまさにそのど真ん中の政策といってもいいと思います。
実際にはこれまでの取り組みは日本国内においても世界においても、それぞれの良心に働きかけるような、啓発していくといった対話的なアプローチが中心でした。しかし、取り組みを加速していくためには、さらに積極的なアプローチも必要です。税金や補助金のようなインセンティブ付けをすることも考えられますが、もう一つのアプローチとして、金融資本市場のスチュワードシップの活用や自然資本会計など、企業自身に行動の変革を資金調達のルートから促す取り組みを加速することも重要です。会議においても私の方からそのような講演を行い、出席者から質疑などを通じて好意的な反応を得ました。
実際、個々の企業の持続可能性、長期的なリスク、そして国の経済にとっては、環境や生物多様性、気候変動といった問題に配慮した行動をとることは長期的には合理的なはずです。その意味においても、特に年金などの長期の投資家から資金調達という道筋から影響を与えることは合理的でもあります。様々な局面で、世界の中で行動を促していくことは、経済体系としても技術的な強みの観点からも環境問題に一日の長がある日本の国益にもつながります。様々な場面で働きかけを続けていきたいと思います。
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