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2016-12-24 00:00
(連載2)北方領土返還への危険な賭け
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
だが、日露関係においてはやはり躊躇がある。日本とロシアの関係はアメリカとの関係もあり、時にギクシャクする。実際に現在も、アメリカ大統領選でドナルド・トランプ氏勝利を有利にするためロシアがサイバー攻撃を仕掛けたということで、オバマ大統領はロシアに報復措置を加えるという。またEUは首脳会議を開き、ウクライナ情勢を受けて続けてきたロシアへの経済制裁を、来年7月末まで延長することで一致したという。日本が経済協力を進めようとする流れとはかなり異なる姿勢だ。
まだまだ、何が起こるかわからない。確かにプーチン大統領とトランプ氏は協力的な関係のようにはみえるが、何かを契機として一気に対立するというシナリオも考えておかなければならない。つまり、日本は大きな投資をしても、その投資が実を結ばない状況が考えられるのだ。北方領土も返還されたわけではない。つまり外交関係が冷えるなら、なんの成果もないままに投資しただけが損となるリスクがある。日本としては約束なき危険な賭けに乗らされたという感じだ。プーチン大統領の駆け引きのうまさが際立つ。
ただ、今の状況であれば、こうしたリスクを冒さなければ、北方領土の進展の緒さえ見いだせないということは確かだ。安倍首相もこのリスクはわかった上での判断だろう。経済協力の合意で、北方領土問題が解消したというようなメッセージとロシアがとらないように、厳しく要請し続けることが必要だ。北方領土に限るなら、私は部分的でも国後島の返還が決定的に重要だと考えている。日本が本気で投資するならやはり国後島は欠かせない。漁業、観光などにおいて重要だ。
私の提案は2島半(歯舞群島、色丹島、国後島の西半分)の返還だ。これによって本格的な経済投資が可能になり、ロシアにとってもプラスになる。いずれにしても、これからは根気と迫力の勝負になりそうだ。強権プーチン大統領を攻め落とすことができるかどうか。今回の合意は、日本にとっては危険な賭けだ。この賭けに勝つことができるかどうか。結果が分かるには、少なくともまだ数年はかかりそうだ。(おわり)
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