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2016-12-13 00:00
プーチン大統領来日について
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
12月13日付けの姉妹e-論壇「百花斉放」に掲載された杉浦正章氏の投稿「『2島先行』にむけて『経済共同活動』確認か」における、日本は幻想を抱かないほうが良い、長門会談は依然とっかかりを模索するものになりそうだとの旨の内容に賛成だ。領土など第一義の問題ではない。日本外交の活動分野を広げておくことが大事なのだ。
理由を以下に述べる。日本は、アジアにおいて「もてる国」なのだ。近隣諸国の妬み、憎悪を受けやすい立場だ。彼らは、現在近代化へ邁進している最中だが、一方日本社会は既にポスト近代の時代にいる。よくドイツ人などから、日本はアジアに友人がいない国だといわれるが、ドイツのように、フランス、イタリアなどといった、同じレベルの国々は日本の周囲にはない。別段、右翼愛国団体の真似をするわけではない。少し悲しい境遇なのだ。日本外交の基本の軸足として、国連中心主義、アジア重視と並んで、自由世界(西側世界)との提携協調がある。西側世界とは、北米、西欧を主としてさす。最近、欧米からの学者などと話していて悲しいのは、彼らはクリミア併合などのロシア批判は盛んにするが、中国の南シナ海などでの行いには比較的寛容なのだ。
これには、経済発展する中国との経済関係促進の下心、近接するロシアと違い遠隔地の中国の安全保障上の脅威が少ない、などがあろうが、最終的には中国を抑えることが出来るとの黄色人種への蔑視も垣間見える。第二次大戦前に、ナチスの台頭を初期段階で押さえておけば、あのような大惨事はもたらされなかっただろう。今の時点では、欧米人、特に西欧人は聞く耳を持たない。これへの対応としても、日本がロシアとの経済関係を構築することに意味がある。西側の人たちに覚醒を促すとともに、日本外交の行動の余地を広げておくのだ。日本をめぐる国際情勢は、第二次大戦前の状況に似てきている。その頃登場した近衛文麿政権は、その優柔不断さで、日中戦争の長期化、独伊との同盟、ソ連との中立条約締結、そして日米交渉の無残な挫折とその外交センスのなさをさらけ出した。
最近、中国人と話すと、今や日本などから助けはいらない、最先端技術は、西欧から特にドイツから得ることが出来ると、鼻息が荒い。日本無用論の大流行だ。しかし、これから続々誕生する原発で、いつ事故が起こるかわからない。そうした場合、日本はいやおうなしに支援をしなければならなくなる。その意味で、某元首相のような、日本の原発を全廃して、技術も知識も捨ててしまうのは問題なのだ。中国は来年から、かって祖界地時代の公園などにあった「犬と中国人入るべからず」看板へのリベンジなのか、外国人を分類して、特に日本人を狙い打ちにしているかのような外国人排除システムを実施するとも話している。
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