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2016-11-24 00:00
(連載1)崔順実ゲート事件がもたらす韓国のリスク
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
崔順実ゲート事件で韓国は混乱に陥りつつある。これは朴大統領の支持率を急落させ、政策決定の麻痺状態を起こしている。日本においても首相の支持率が急落し、1年ごとに首相が替わるという状態の時期もあった。しかし日本の首相のシステムと韓国の大統領のシステムとは相当に異なる。韓国の大統領の権限は強い。現在のようにその大統領の指揮権が問題視される事態になると、ネガティブな影響は半端ではなくなる。問題はいつまでこのリーダーシップ空白の時期が続くかである。長期にわたると韓国は本格的なリスクを背負うことになる。
韓国では、朴大統領退陣を求める大規模なデモが続いている。すでに4週連続で50万人から100万人規模の大集会・デモが行われている。このデモは朴大統領の辞任まで続くと予想される。これがもう1ヶ月続くのか、もう1年続くのかは分からない。朴大統領が辞任を表明するなど、明確な変化がない限り、沈静化する可能性はほとんどない。逮捕者が増えていくにつれて、崔順実ゲート事件に関しての新たな疑惑も浮上する可能性も高い。むしろさらに過激化する可能性がある。
韓国の歴代大統領の多くが退任後に厳しい状態に置かれた。汚職や不正等の追求から、亡命、懲役刑、自殺等に至っている。朴槿恵大統領の父朴正煕大統領は側近のKCIA部長によって射殺された。単なる辞任で済まず辞任後には逮捕・実刑となる可能性が極めて高い。これが日本との大きな差といえる。日本では権力から身を引くことによって、状況が収まることが多い。あれだけ毎日、報道されていた舛添氏の問題も舛添氏が都知事を辞職してからは、ほとんどなくなった。韓国では辞職は即、逮捕・実刑に繋がる可能性が高い。簡単には辞職できないのだ。現在、韓国が抱える3つのリスクについて考えてみよう。
まず第一に経済的リスクだ。国内政治が機能しない状態が長期にわたると、停滞している韓国経済は打撃を受ける。しかも今回の不正事件にサムスンやロッテ等ほとんどの財閥が関わっている。ミル財団やKスポーツ財団に多額の寄附がなされている。それでなくても、韓国経済は厳しい状況に置かれている。サムスンやロッテは経営的には快調であったが、そのサムスンは電子のスマートフォンの新機種「ギャラクシーノート7」の発火問題や洗濯機の爆発問題で勢いが止まっている。ロッテも中核経営者が次々と起訴されるなど大きな不安に覆われている。それに追い打ちをかけるように崔順実ゲート事件の関与がでてくると、経営の立て直しが遅れることになる。崔順実ゲート事件は政治の停滞だけでなく経済の停滞に結びつく。崔順実ゲート事件が短期で収拾するなら、財閥支配の韓国経済の変革のための刺激と言えるかもしれない。しかし長期にわたると、韓国経済は深刻な打撃を受けることになる。(つづく)
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