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2016-11-18 00:00
(連載1)北朝鮮の崩壊は米中を巻き込んだ紛争に発展しうる
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
北朝鮮崩壊の可能性はこれまでにも多くの人が指摘してきた。経済制裁を加えられ、幾つかの災害に見舞われ、核開発やミサイル開発などの軍事増強にお金を使うのだから、まともな国の運営はできていない。しかしそれでも北朝鮮は崩壊していない。ただ、いつXデーがやってきてもおかしくない状態はできている。
問題はその有事に日本を含め周辺諸国は備えているか、ということだ。粛清が大規模で行われ、脱北者も相次いでいる。優秀な人材が粛清されたり、脱北したりすると、北朝鮮のような国の成長は望めない。国際的視野のある人材は限られている。金正恩最高指導者の独裁は明らかに北朝鮮を袋小路に追い込んでいる。逃げ道がなくなれば、やがては崩壊することは十分に考えられる。
問題は、どのようなシナリオで崩壊し、その後、どのようになるか、だ。韓国の朴大統領は、北朝鮮の崩壊はすなわち韓国による南北統一と考えているようだ。最近の北朝鮮の脅迫に対して厳しく当たり、北朝鮮を崩壊させて南北統一を実現することをほのめかしている。これは経済的、社会的に韓国にはかなりの負担であり、それに備えよう、というのだ。日本でも多くの人は、北朝鮮崩壊は韓国による朝鮮半島の統一と考えているようだ。しかし、今の状況であれば、北朝鮮の崩壊は中国による北朝鮮支配に変わる可能性が圧倒的に高い。これまでの北朝鮮と中国との交流の親密度と北朝鮮と韓国の交流の親密度を比較すれば明白だ。金正恩体制のほとんどの政治家、軍人は中国幹部とのルートはあっても、韓国の政治家や軍人との交流はほとんどない。
たとえクーデターがあっても、彼らはまずは中国に支援を求めるだろう。中国も北朝鮮は彼らのテリトリーだと考えている。だからこそこれまでも支援をしてきたのだ。やすやすと、背後にアメリカのいる韓国に統一されるのを容認するわけがない。朝鮮半島が韓国に統一されるなら、中国は、北朝鮮の核兵器を得た拡大韓国と国境を接することになる。アメリカと日本が背後にいる拡大韓国は、中国にとって脅威だ。絶対に許さない。戦争をも辞さないくらいの抵抗をするだろう。(つづく)
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