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2016-10-29 00:00
(連載2)次期国連事務総長グテレス氏は人道主義を貫けるか
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
問題は来年から国連をどのように牽引するかである。私が注目するのは3つのポイントだ。第1のポイントは、「強い国連」である。国連は構造的な問題を抱えている。最大の問題は5つの安保理常任理事国に拒否権が与えられていることだ。重要な国際的な問題において、5つの常任理事国が関わっていないものはないといっていい。特に、アメリカ、ロシア、中国は国際的な対立に密接に関わっている。現在大きなテーマである中東問題や南シナ海をめぐる問題、東アジア問題などでは、この3国は密接に絡んでいる。アフリカの紛争にも絡んでいることが多い。
国連が行動を起こすには、5つの常任理事国の承認が必要で、重要な問題なればなるほど、ほとんど身動きができない。北朝鮮の核実験への非難決議でさえ、簡単ではない。制裁となるともっとハードルが高い。国連がいかに実現力を持つかは長年のテーマだ。ヨーロッパ、日本、アフリカ、中南米などとともに新たな仕組みづくりをしなければならない。5つの安保理常任理事国を敵に回すことなく、実質的な改革を行うことは至難の業だ。この至難の業をグテレス氏が成し遂げることができるかどうか。日本の協力も求められるはずだ。
第2のポイントは、「人道主義の貫徹」である。グテレス氏は人道主義の活動を行ってきた。Human Rights Watchなども好意的にグテレス氏の次期国連事務総長への決定を伝えている。難民問題やテロ対策、情報化社会における諸問題など、現代社会においては人権問題は非常に大きな問題となっている。簡単な解決策はない。グテレス氏がどこまで人道主義を貫くことができるのか。そしてそれを国際社会がどれだけ支えることができるのかは注目ポイントだ。
第3のポイントは、「国際NGOとの連携」である。国連難民高等弁務官時代には国際NGOとの連携は重要であった。実践においても国際NGOとの連携を行ってきたグテレス氏は国連と国際NGOとの連携をさらに進めるものと期待される。国際NGOは国際社会の中で確固たる地位を築きつつある。私は国連改革の最大の目玉は国際NGOの関与だと思っている。アドバイスだけでなく実質的な国連の「メンバー」として活動できる仕組みづくりと成し遂げて欲しい。国連には失望の連続だ。UNはUnitede Nonsenseの略だというジョークはジョークにとどまらない。それだけにグテレス氏に国連の新たな展望を拓いて欲しい。(おわり)
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